パリティビット (ゲーム会社)

株式会社パリティビット

概要

東京都千代田区に本社を構える株式会社パリティビット（ParityBit Inc.）は、日本のコンピュータゲームに関連する事業を行う企業です。

沿革と事業内容

パリティビットは、著名なゲームクリエイターである薗部博之氏によって1996年に設立されました。薗部氏は、創業に先立ち、株式会社アスキーに在籍しており、その時代に「ベストプレープロ野球」シリーズや、競馬シミュレーションゲームの金字塔として知られる「ダービースタリオン」シリーズの開発を主導しました。これらの作品は、それぞれのジャンルにおいて革新的なシステムと高い完成度で多くのファンを獲得し、薗部氏の名声を確立しました。

アスキーでの成功と経験を基に独立を果たした薗部氏が立ち上げたパリティビットは、その後も活発にゲームソフトウェアの開発を行いました。同社が開発を手がけたゲームタイトルの大部分は、創業者がかつて所属していたアスキー、そして2002年にアスキーからゲーム事業を継承した株式会社エンターブレインから市場に送り出されました。これは、長年にわたる薗部氏と両社の緊密な関係性を示唆しています。パリティビット開発の代表作としては、プレイヤーが馬主となり、競走馬の生産から育成、そしてレースでの勝利を目指すシミュレーション「ダービースタリオン」シリーズが挙げられます。血統や配合理論といった奥深いシステムが特徴で、多くの派生作品やプラットフォームでの展開がなされました。また、野球チームの監督として戦略や采配を駆使するシミュレーション「ベストプレープロ野球」シリーズも、リアルなゲーム性で根強い人気を誇りました。

ただし、パブリッシャーとの関係はアスキーおよびエンターブレインに限定されていたわけではありません。例えば、「ダービースタリオン」シリーズの一作であるNINTENDO 64用ソフト「ダービースタリオン64」は、株式会社メディアファクトリーから発売されました。さらに、携帯ゲーム機向けに開発され、後に人気を博したサッカークラブ経営シミュレーションゲーム「カルチョビット」は、任天堂株式会社からの発売となりました。このように、作品によっては異なるパブリッシャーと協力体制をとることもありました。

パリティビットの事業体制は、2015年に大きな変化を迎えました。この年、かつてエンターブレインに在籍し独立した竹田健氏が設立した株式会社ゲームアディクトへ、パリティビットの開発部門が移行されたのです。この組織再編に伴い、パリティビット自身は新規のゲーム開発業務を実質的に終了させました。以降、同社の主な業務は、過去に生み出した数々のゲームタイトルに関する知的財産権（IP）の管理、ライセンス許諾、および関連資産の維持が中心となっています。かつては独自のゲーム開発で存在感を示したパリティビットですが、現在はその豊富なゲームライブラリの管理を主要な役割としています。

主な開発タイトル

パリティビットが開発に携わった、またはその権利を管理している主なゲームタイトルには、以下のようなものがあります。

ダービースタリオン シリーズ
ベストプレープロ野球 シリーズ
競艇WARS マクル6
カルチョビット

これらのタイトルは、日本のゲーム市場において一定の評価と成功を収めました。

外部リンク

公式サイト
メディア芸術データベースにおけるパリティビットの情報

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