パンチェン・ラマ6世

パンチェン・ラマ6世、ロサンペルテンイェーシェー師（1738年 - 1780年）は、チベット仏教ゲルク派における重要な化身ラマであるパンチェン・ラマの6代目です。清帝国時代のチベットで生まれ、その生涯において宗教的指導者としてだけでなく、政治的な役割も果たしました。

生い立ちと活動

ロサンペルテンイェーシェー師はチベット人として生まれ、幼い頃から仏教の修行に励みました。卓越した才能と深い知識により、すぐに高位の僧侶として認められるようになりました。

パンチェン・ラマとしての貢献

彼は、著作活動にも力を入れました。特に「シャンバラへの道案内書」は、西方世界にも翻訳され、チベット仏教を紹介する上で重要な役割を果たしました。

1779年、清朝の乾隆帝に招聘され北京を訪問。乾隆帝との謁見は、チベットと清朝の関係を深める上で重要な出来事でした。彼は、清朝のチベットに対する宗主権を認めるとともに、乾隆帝にチベット仏教の戒を授けました。しかし、北京滞在中に天然痘を発症し、1780年に42歳で入寂しました。

遺産相続を巡る争い

パンチェン・ラマ6世の死後、彼の遺産相続を巡って、2人の兄弟である会計係のドゥンパ・リンポチェとシャマルパ10世の間で対立が起こりました。彼らは、タシルンポ寺の財産やパンチェン・ラマが受け取った捧げものに対する相続権を主張し、争いは長期化しました。

参考文献

* ロラン・デエ 著、今枝由郎 訳『チベット史』春秋社、2005年10月。ISBN 4-393-11803-0。

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