ヒシナタリー

ヒシナタリー：輝ける競走生活と繁殖牝馬としての歩み

1996年、日本の競馬界にその名を刻んだ名牝、ヒシナタリー。彼女の馬名は冠名「ヒシ」と、フリオ・イグレシアスの名曲「黒い瞳のナタリー」から由来しています。華麗な競走生活と、繁殖牝馬としての貢献に焦点を当てて、その生涯を振り返ってみましょう。

輝かしい競走馬時代

1995年11月、中京競馬場でのデビュー戦では3着という結果に終わりますが、その後、才能を開花させ始めます。3戦目で初勝利を収めると、若駒ステークスも制覇。勢いに乗って挑んだフラワーカップでは、早くも重賞初制覇を成し遂げました。

しかし、その後は忘れな草賞2着、NHKマイルカップ6着、白百合ステークス7着と、勝利からは遠ざかります。それでも、4歳にして宝塚記念で4着と好走するなど、その潜在能力の高さを示しました。

夏から秋にかけては、小倉記念とローズステークスと重賞レースを連勝。勢いに乗って秋華賞、ジャパンカップにも挑戦しましたが、惜しくも6着以下に終わります。しかし、年末の阪神牝馬特別では見事4勝目を挙げ、充実した4歳シーズンを終えました。

翌1997年、始動戦のオーストラリアトロフィーで1番人気に支持されましたが、レース中に屈腱断裂という重傷を負い、惜しまれつつも4歳で引退することとなります。

繁殖牝馬としての貢献

引退後は繁殖牝馬として、静内町の出羽牧場、アメリカ、そして社台ファームで繋養されました。2012年に繁殖を引退し、その後は引退名馬繋養展示事業の助成対象として中村雅明牧場で余生を過ごしました。重賞勝ち馬こそ輩出しませんでしたが、産駒からは、ヒシディーバを母に持つダイシンクローバー（京都ハイジャンプ優勝）、アイズオブナタリーを母に持つシュリーデービー（九州ジュニアチャンピオン優勝）など、活躍馬が誕生しています。2016年以降の消息は不明です。

血統背景

ヒシナタリーの血統背景には、グローリアスソング、デヴィルズバッグ、セイントバラード、レディバラード（クイーン賞、TCK女王盃優勝馬）といった名馬の名前が連なります。これらの名馬から受け継いだ能力が、ヒシナタリーの競走能力や繁殖能力に大きく影響を与えたと考えられます。

まとめ

ヒシナタリーは、短くも華やかな競走生活と、繁殖牝馬としての貢献で競馬史に名を刻んだ名牝です。彼女の競走成績だけでなく、血統背景や繁殖牝馬としての活躍を知ることで、彼女の魅力をより深く理解することができます。その華麗なる競走生活と、未来へと繋がる血脈は、多くの競馬ファンの記憶に深く刻まれています。彼女の功績は、これからも語り継がれていくことでしょう。

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