ヒメレンジャク

ヒメレンジャク（姫連雀）について

ヒメレンジャク（学名：Bombycilla cedrorum）は、スズメ目レンジャク科に属する鳥類で、主に北アメリカ大陸に生息しています。この鳥は時にはスギレンジャクと呼ばれることもあります。体長は15から18センチ、体重はおおよそ30グラムで、近縁種のキレンジャクよりも少し小さめで、若干褐色がかっています。特に特徴的なのが、その羽の先端に見られる赤い蝋状の物質で、これは英語名「Waxwing（蜡の翼）」の由来となっている部分です。

外見の特徴

ヒメレンジャクの羽は美しく、特に二次風切の先端にある赤い蝋のような部分が視覚的なポイントです。尾羽の先端は通常は黄色ですが、特定の食事（ニオイニンドウなど）を摂取していると、暗いオレンジ色になることがあります。また、成鳥の腹部はわずかに黄色味を帯びており、幼鳥はのどや横腹に縞模様が見られ、目元には黒い斑点がない場合もあります。

生息環境と分布

ヒメレンジャクは主に北アメリカに広く分布し、冬季には南部や中央アメリカに移動します。この時期は数百羽という大規模な群れを形成して行動し、餌となるベリーが不足すると南アメリカにまで渡ることがあります。さらに、迷鳥として西ヨーロッパにも現れることがあり、特にグレートブリテン島ではいくつかの事例が報告されています。

食性と行動

ヒメレンジャクは一年を通じてベリーや果実を主食としていますが、繁殖期には昆虫も大事な食料源となります。その中でも特にエンピツビャクシンの実が大好物で、英名前の「Cedar Waxwing」もこの実に由来しています。興味深い行動として、枝の先端にしか実がない場合、群れが一列に並び、くちばしでベリーを渡し合う光景が見られます。

冬の間、ヒメレンジャクは極めて少ない警戒心を持ち、果物を求めて庭などに現れます。また、水浴びをしたり水を飲むために集まることもよくあります。

求愛行動

求愛の時期には、オスとメスが一緒に木に止まり、互いに花びらや小さな昆虫を渡す動作を繰り返します。この愛情表現として、つがいとなった彼らは優しくくちばしをこすり合わせることがあります。

飛行の特徴

飛行時の動きは力強く、直線的で、飛んでいる群れの動きはホシムクドリに似ており、一体感を持って空を舞います。

このように、ヒメレンジャクはその美しい姿と群れでの協調行動を通じて、見ている者を魅了する存在です。自然の中で彼らの行動を観察することは、一つの楽しみとも言えるでしょう。

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