ヒューリック青山第二ビル

ヒューリック青山第二ビルの詳細

ヒューリック青山第二ビルは、東京都渋谷区に所在する特徴的なオフィスビルです。この建物は、2008年にシンプレクス・インベストメント・アドバイザーズによって「SIA青山ビルディング」として建設されましたが、2015年に同社がヒューリックに吸収合併されたことに伴い、現在の名称に変更されました。

地理的には、青山という名前がついていますが、実際の所在地は渋谷区渋谷に位置しています。このビルは、渋谷駅から明治通りを東に進み、MIYASHITA PARKを過ぎて青山通り手前の右手にあります。

建築的特徴

建物の外観は、白い外壁に様々な大きさの正方形の窓が不規則に配置された、非常に印象的なデザインとなっています。この独特なデザインは、2008年のグッドデザイン賞で金賞を受賞しており、その革新性が高く評価されています。

設計の背景

このビルの設計は、周辺の住居地域の日影規制を考慮しつつ、各階の床面積を均等に保つことを目指しました。そのため、平面の広さを抑え、高さを最大限に活用する設計となっています。内部には二重螺旋階段が設置されており、設備の配置も考慮した結果、天井高は一般的なオフィスの約2倍である4.9m、階高は6.4mとなりました。さらに、意匠上の配慮から屋根のパラペットも6.4mの高さに設定されています。

構造

上部構造は、西側の角を90度にした変則的な五角形をしており、各辺の長さは12.9mから21.2mです。外壁は厚さ400mmから500mmの鉄筋コンクリート製で、目地を設けない白い塗装仕上げとなっています。五角形の各頂点は丸みを帯びており、柔らかな印象を与えます。また、階高の半分である3.2mの位置に壁柱と壁梁を設け、その枠内に7種類のサイズの正方形の窓を不規則に配置しています。窓のサイズは1,150mmから2,200mmまで、奥行きは125mmから305mmまでと多様です。大きな窓は奥行きを浅く、小さな窓は深くすることで、視覚的な効果を追求しています。

内部空間

内部のワークスペースはワンルーム形式で、上下二段に配置された窓とペンダント照明によって、十分な自然光を確保しています。

免震構造

このビルは中間層免震構造を採用しており、1階の梁下と地階の間に12基の鉛プラグ入り積層ゴムと2基の剛すべり支承が設置されています。外壁には約280もの不規則な開口部があるため、誘発目地を設けない意匠が採用され、外壁のひび割れ対策が重要な課題となりました。この課題に対応するため、水和熱を抑える低熱セメントや、線膨張係数を低減する石灰石骨材が用いられました。また、流動化剤の使用や丁寧な施工によって、密実な打設を実現しています。

外装

外壁の塗装には、主材に透湿性と弾性のあるアクリルゴム系塗料、上塗材には超低汚染性・超耐久性の弱溶剤型特殊樹脂塗料を使用し、建物の保護と美観の両立が図られています。

設計者と評価

この建物の設計は、建築家の青木淳氏が担当しました。高い天井を持つオフィス空間と、外観から用途や階数が判別しにくい斬新なデザインは、従来のガラスファサードのオフィスビルとは一線を画しています。この革新的なデザインが評価され、2008年にグッドデザイン賞金賞を受賞しました。

参考文献

日置滋（執筆代表）『オフィス建築』市ケ谷出版社、2013年、188-191頁。ISBN 978-4-87071-274-4。
「免震建築紹介 SIA青山ビルディング」（PDF）『MENSHIN』第60巻、日本免震構造協会、2008年5月31日、16-20頁。
“2008年度グッドデザイン賞 金賞受賞作品 SIA青山ビルディング”. GOOD DESIGN AWARD. 日本デザイン振興会。

関連項目

ヒューリック青山ビル - 港区北青山の表参道交差点西側角に建つビル。みずほ銀行青山支店などが入る。

ヒューリック青山第二ビルは、その独特なデザインと先進的な技術によって、オフィスビルの新しい可能性を示しています。

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