ビタミン欠乏症

ビタミン欠乏症について

ビタミン欠乏症とは、体内で特定のビタミンが不足することによって引き起こされる健康問題の総称です。この症状は、発展途上国において特に顕著ですが、意外にも先進国でも見られることがあります。ビタミンはその種類によって、脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンに分類され、それぞれ異なる症状や治療法が存在します。

脂溶性ビタミンの欠乏症

ビタミンA欠乏症

ビタミンAが不足すると、夜盲症や皮膚、粘膜の乾燥が進行します。具体的には眼球乾燥症や角膜軟化症などの症状が現れることがあります。主に、南アジアや東アジアのカロテンが不足した食事を摂る地域で見られます。この欠乏症は、通常長期間の食事不足から発生します。治療には、ビタミンAを日々3000から10000IU内服することが推奨されます。

ビタミンD欠乏症

ビタミンDの不足は、くる病や骨軟化症などの骨に関する疾患を引き起こします。この場合、1α-OH-D3を1から2μg内服する治療が考えられます。

ビタミンE欠乏症

ビタミンEが不足すると、溶血性貧血や歩行不調、位置感覚障害が見られます。未熟児においては浮腫や脱毛が起こることもあります。治療には、ビタミンEを10から300mg内服することが必要です。

ビタミンK欠乏症

ビタミンKが不足すると、新生児メレナや出血傾向が現れます。治療法としては、10から50mgのビタミンKを筋注することが推奨されます。

水溶性ビタミンの欠乏症

ビタミンB1欠乏症

ビタミンB1が不足すると、脚気やウェルニッケ脳症、手足のしびれや消化不良が発生します。治療には、ビタミンB1を10から100mg内服するか、100から200mgを静注する方法があります。

ビタミンB2欠乏症

この欠乏症は口角炎や舌炎を引き起こし、流涙や脂漏性皮膚炎などの症状も見られます。治療法としては、ビタミンB2を30から50mg内服します。

ビタミンB6欠乏症

ビタミンB6の不足は貧血や多発性末梢神経炎、神経過敏などの症状を引き起こします。欠乏した場合、5から100mgのビタミンB6を内服することが勧められます。

ナイアシン（ビタミンB3）欠乏症

ペラグラと呼ばれる症状が現れ、皮膚炎、下痢、認知症などが見られます。治療方法は、ニコチン酸アミドを50から200mg内服することです。

葉酸欠乏症

葉酸が不足すると、巨赤芽球性貧血や下痢、舌炎などが引き起こされます。特に胎児に対する影響が大きいので、早期の治療が望まれます。欠乏を改善するためには、葉酸を10から20mg内服することが効果的です。

ビタミンB12欠乏症

ビタミンB12の不足は、巨赤芽球性貧血やハンター舌炎、末梢神経炎の原因となります。治療としては、1mgのビタミンB12を筋注することが推奨されます。

ビオチン欠乏症

ビオチンが不足すると、乾癬やアトピー性皮膚炎などが現れます。治療方法は、栄養型ビオチンを9から12mg、または先天性の場合には5から20mg内服することが必要です。

ビタミンC欠乏症

ビタミンCが不足すると壊血病を引き起こします。壊血病の子供にはメラー・バロウ病とも呼ばれる疾患が見られるため注意が必要です。治療には、50から2000mgのビタミンCを内服します。

ように、ビタミンは体の健康維持に欠かせない要素です。欠乏症を避けるためには、バランスの取れた食事が重要です。

もう一度検索