ビット毎秒

ビット毎秒（bps）

ビット毎秒、略してbpsとは、データの転送速度を示す単位であり、1秒間に転送されるビット数を表します。この単位は、モデムやルータ、LANケーブルなど、多様なデジタル通信機器で使用されています。日本のJISでは「ビット速度」とも称されます。

用語の定義

ビット毎秒は、他にも複数の用語で表現されることがあります。「データ転送レート」や「転送速度」といった言葉は同義であり、また「伝送率」や「通信路容量」なども関連する概念です。ただし、ビット毎秒は単位時間あたりのビット数を示しており、実際のデータの到着速度ではなく、単にデータの流量を表すものです。

このため、転送効率の観点から「効率」という用語が使用されることもありますが、実際のデータ転送においては、圧縮技術や誤り訂正、変調方式など、効率に関わる要因は多岐に渡るため、混同しやすい点です。特に、変調レートを示すボー（baud）とは異なる単位で、この点も留意が必要です。

複数の表記方法

ビット毎秒は、通常、ビット/秒という形式で書かれたり、英語の「bits per second」を略してbpsやb/sと表現されたりします。通常は小文字が使用され、データ転送の単位として一般的です。最近では、通信技術の進化により、以下のようなより大きな単位も使用されるようになっています。

• - メガビット毎秒（Mbps）
• - ギガビット毎秒（Gbps）
• - テラビット毎秒（Tbps）

これらの接頭辞は、本来の意味である103倍、106倍、109倍で用いられることが一般的です。特にコンピュータ分野では接頭辞の意味が異なる場合がありますので注意が必要です。

バイト毎秒との関係

また、ビット毎秒と混同されやすいのがバイト毎秒（Bps）であり、これはバイトを基準とした単位です。通常、1バイトは8ビットから構成されているため、bpsの値を8で割ることでBpsの値を求めることができます。このため、例えば8Mbpsは1MBpsに相当します。情報通信の分野においては、バイト単位ではなく、オクテット（8ビットを表す単位）を使うことが一般的です。

具体的な使用例

音声及び映像におけるビット毎秒の値は、求められる品質によって異なります。例えば、音声データでは、0.6 kbpsが軍用などの最低限の音質と言われる一方、320 kbpsのMP3が最高音質とされています。映像においては、32 kbpsがテレビ電話の必要最低限の品質に対し、128 MbpsがUltra HD Blu-rayでの最高品質を示します。

以下は、一般的な用途におけるビット毎秒の一部例です。

• - 音声：

- 0.6 kbps - 軍用の最低限音質
- 320 kbps - MP3の最高音質

• - 映像：

- 2 Mbps - YouTubeのHD最高画質
- 24 Mbps - AVCHDの最高品質

技術的な注意点

ビット毎秒の数値は、技術の進歩や使用される通信モードによって変動します。また、音声や映像の品質は一般的に設定された基準に基づきますが、実際の状況によって異なることが多いため、使用時には常にその点を考慮する必要があります。特に、MIDIケーブルやUSBの異なるバージョンによっても、ビット毎秒の値は異なるので、具体的な用途に合わせて適切な数値を把握しておくことが重要です。

このように、ビット毎秒はデータ通信において不可欠な指標であり、さまざまな分野で利用されているため、その理解は非常に重要です。

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