ビューチフルドリーマーカップ

ビューチフルドリーマーカップ:地方競馬を彩る牝馬の戦い



「ビューチフルドリーマーカップ」は、岩手県競馬組合が施行する地方競馬重賞競走です。スポーツニッポン新聞社が優勝杯を提供しており、正式名称は「スポーツニッポン杯 ビューチフルドリーマーカップ」となっています。

この競走は、岩手県小岩井農場に輸入された繁殖牝馬「ビューチフルドリーマー」を記念して1975年に創設されました。当初は特別競走として行われていましたが、2000年重賞競走に格上げされ、その歴史と格式を高めています。

重賞格上げ後、出走条件は段階的に拡大されました。2000年から東日本地区、2002年から東日本九州地区、そして2005年からは地方競馬全国交流へと変更され、全国から優秀な牝馬が集まるレースへと発展しました。対象となるのはサラブレッド系の3歳以上の牝馬です。ただし、2007年馬インフルエンザの影響により、岩手所属馬のみの出走となりました。

2010年にはGRANDAME-JAPAN・古馬シーズンに指定され、さらに2019年からはJBCレディスクラシックの指定競走にも選定されています。地方競馬における重要なレースとしての地位を確立していると言えるでしょう。

開催地についても変化が見られます。2011年は東日本大震災の影響で水沢競馬場が中止されたため、盛岡競馬場ダート2000mで施行されました。2020年までは水沢競馬場ダート1900mが舞台でしたが、近年は盛岡競馬場ダート2000mと水沢競馬場ダート2000mを交互に開催地として利用しています。2021年、2022年、2024年は盛岡競馬場、2023年は水沢競馬場で行われました。

また、2016年には岩手競馬で重賞格付け制度が開始され、本競走はM1に格付けされました。さらに、スタリオンシリーズ競走にも指定されています。

競走条件(2024年)は、サラブレッド系3歳以上の牝馬が対象で、地方全国交流競走となっています。他地区所属馬の出走枠は7頭です。ひまわり賞の優勝馬とフェアリーカップで上位3着に入った馬には優先出走権が付与されます。負担重量は定量で、3歳53kg、4歳以上55kgです。

賞金は1着600万円、2着210万円、3着120万円、4着78万円、5着42万円と、地方競馬重賞レースとしてふさわしい高額賞金が用意されています。着外手当は3万円です。副賞として、スポーツニッポン社賞、株式会社優駿賞、岩手県競馬振興協議会会長賞、盛岡市長賞、開催執務委員長賞などが贈られます。さらに、株式会社優駿の協賛により、ミッキーロケットの配合権利が優勝馬馬主への副賞として提供されています。

競走名称については、創設当初は「ビューティフルドリーマーカップ」でしたが、その後「ビューチフル・ドリーマーカップ」と中黒を用いた表記が長く使用されました。しかし、「馬の名前に中黒を入れるのはおかしい」との意見から、2015年からは中黒のない「ビューチフルドリーマーカップ」に戻されています。この名称変更の経緯には、新聞記事における略称の表記方法が影響しているという分析もあります。

長年にわたって地方競馬を盛り上げてきた「ビューチフルドリーマーカップ」。今後も、多くの名馬を生み出し、地方競馬ファンを魅了し続けるレースとなるでしょう。

(※2000年以降の歴代優勝馬については、本文では割愛しています。詳細は地方競馬全国協会などの資料をご参照ください。)

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