ピエール・グランブラ

ピエール・グランブラ：多才な才能を発揮したフランスの映像作家

ピエール・グランブラ（1922年7月8日 - 2016年6月4日）は、フランス・パリ出身の映画監督、脚本家、テレビシリーズの演出家・プロデューサーとして、そのキャリアを通して多彩な才能を発揮しました。

映画監督としての初期

1960年、グランブラはフランソワ・トリュフォーの協力を得て、長編映画『Me faire ça à moi（ひどいじゃない!）』で監督デビューを果たしました。この作品は、彼の映画監督としてのキャリアの幕開けを飾る重要な一作となりました。その後、1962年には、エディ・コンスタンティーヌとミシェル・ルグランを再び迎え、『L'Empire de la nuit（夜の帝国）』を制作しました。これらの初期作品は、彼の独特な映像美と物語への情熱を示しています。

ヌーヴェルヴァーグとの関わり

1964年、グランブラはピエール・ブロンベルジェの製作のもと、短編『La Rose de mon jardin』を監督しました。この時期、彼はヌーヴェルヴァーグの作家たち、ジャック・リヴェットやジャック・ドニオル＝ヴァルクローズ、ジャン＝リュック・ゴダールらの初期作品に携わり、彼らの才能を世に送り出す重要な役割を担いました。同年には、フランソワ・レシャンバックと共同で『Les Amoureux du France』を監督し、脚本も担当しています。

『スローガン』とゲンスブール＆バーキン

1968年、グランブラは自ら出資し、セルジュ・ゲンスブールを主演に迎えた映画『スローガン』を制作しました。この作品は、20歳のジェーン・バーキンがゲンスブールと出会うきっかけとなった作品としても知られています。ゲンスブールの音楽がフィーチャーされ、映画の雰囲気と見事に調和しています。この作品は、グランブラの映画監督としてのキャリアにおける重要な転換点となり、彼の名前を広く知らしめることになりました。

テレビ界での活躍

1980年代後半からは、テレビ映画のプロデューサーとしても目覚ましい活躍を見せました。特に、1986年に企画したテレビシリーズ『セリ・ノワール Série noire』は、ジャン＝リュック・ゴダール監督の『映画というささやかな商売の栄華と衰退』を含む話題作を数多く生み出しました。このシリーズは、フランス、ルクセンブルク、スイスの合作で、複数のテレビ局と映画会社が共同で制作にあたりました。

その他の活動

グランブラは、日本人のモデル三富邦子との間に子供をもうけています。

主な監督作品

Me faire ça à moi（ひどいじゃない!） (1960年)
L'Empire de la nuit（夜の帝国） (1962年)
La Rose de mon jardin (1964年、短編)
Les Amoureux du France (1964年、フランソワ・レシャンバックと共同監督)
Cent briques et des tuiles（1965年）
スローガン Slogan (1968年)
Dites-le avec des fleurs（Diselo con flores、言葉に花を添えて） (1974年)
L'Amour est un jeu d'enfant (1994年、テレビ映画)
銀幕のメモワール Lisa (2001年)
Le Tuteur（後見人） (2003年)

その他の出演作品

Erotissimo (1968年)
さすらいの女神たち Tournée (2010年)

ピエール・グランブラは、映画とテレビの両方で、その才能を余すところなく発揮し、フランスの映像文化に大きな足跡を残しました。彼の作品は、今もなお多くの人々を魅了し続けています。

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