ジャック・ドニオル＝ヴァルクローズ

ジャック・ドニオル＝ヴァルクローズの生涯

ジャック・ドニオル＝ヴァルクローズ（Jacques Doniol-Valcroze）は、1920年5月15日にパリで生まれ、1989年10月6日にカンヌで亡くなった、フランスの多才な人物です。彼はジャーナリスト、映画批評家、映画監督、俳優、脚本家として幅広い分野で活躍しました。

ジャーナリストとしてのキャリア

1946年、ドニオル＝ヴァルクローズはシネモンド誌の編集部に入り、ジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせました。同年、彼はジャン＝ジョルジュ・オリオールと共に、戦前に創刊されたものの廃刊となっていた映画雑誌「ラ・ルヴュ・デュ・シネマ」の復刊に尽力し、新たに創刊しました。翌1947年には編集長に就任し、1949年までその職を務めました。この間、彼は「フランス・オプセルヴァトゥール」や「レクスプレス」といった雑誌で映画批評家としても活躍しました。

映画運動への参加

1949年、ドニオル＝ヴァルクローズはアンドレ・バザン、ジャン・コクトー、ロベール・ブレッソン、アレクサンドル・アストリュックらと共に、シネクラブ「オブジェクティフ49」を設立しました。同年には、ビアリッツで第一回呪われた映画祭を開催しました。また、1951年4月には、バザンやジョゼフ＝マリー・ロ・デュカ（ジュゼッペ・マリア・ロ・デュカ）と共に、映画批評誌「カイエ・デュ・シネマ」を創刊しました。1955年には、「カイエ」創刊5年目にして、第16回ヴェネツィア国際映画祭の審査員に就任しました。

映画監督としてのキャリア

1958年、ドニオル＝ヴァルクローズは長い批評家としてのキャリアを経て、38歳で短編映画を監督しました。1959年には、長編映画『唇によだれ』で監督デビューを果たしました。彼の作品は、ロマンティックな作風の『風の季節』を除いて、一貫して痛烈な色調を特徴としています。

俳優としての活動

ドニオル＝ヴァルクローズは、映画界で最初のキャリアを築いた後、テレビ界でも俳優として数多くの作品に出演しました。1959年のピエール・カスト監督の『Le Bel Âge』では主演を務めたほか、多くの映画で印象的な演技を見せています。

その他の活動

ドニオル＝ヴァルクローズは、1964年に第14回ベルリン国際映画祭、1968年には第29回ヴェネツィア国際映画祭の審査員を務めました。彼の映画界への貢献は、監督、俳優、批評家といった多岐にわたる分野に及んでいます。

フィルモグラフィ

出演作品
王手飛車取り Le Coup du berger（1956年）
Le Bel Âge （1959年）
不滅の女 L'Immortelle （1963年）
Vacances portugaises （1963年）
L'Amour c'est gai, l'amour c'est triste （1968年）
アウト・ワン Out 1 : Noli me tangere （1970年）
流れ者 Le Voyou （1970年）
Une journée bien remplie （1972年）
ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン Jeanne Dielman, 23, quai du commerce, 1080 Bruxelles （1975年）
さよならエマニエル夫人 Emmanuelle 3 (Good-bye, Emmanuelle) （1977年）
Je vais craquer （1980年）

監督作品
唇によだれ L'Eau à la bouche （1959年）
Les Surmenés （1960年）
La Dénonciation （1961年）
Jean-Luc Godard （1965年）
Le Viol （1967年）
風の季節 La Maison des bories （1970年）
Une Femme Fatale （1975年）
Les Fiancées De L'Empire （テレビドラマ、1981年）

脚本作品
Le Bel Âge （1959年）
La Dénonciation （1961年）
Vacances portugaises （1963年）
Le Viol （1967年）

死去

ジャック・ドニオル＝ヴァルクローズは、1989年10月6日に南仏カンヌで亡くなりました。彼の映画界への貢献は、今もなお多くの人々に記憶されています。

外部リンク

ジャック・ドニオル＝ヴァルクローズ - IMDb（英語）
* BiFi - Jacques Doniol-Valcroze 仏語

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