ピッツバーグ (重巡洋艦)

USSピッツバーグ (CA-72): 激戦を生き抜いた重巡洋艦

USSピッツバーグ (CA-72) は、アメリカ海軍のボルチモア級重巡洋艦の5番艦であり、その名はペンシルベニア州の都市ピッツバーグに由来します。当初はオールバニと命名される予定でしたが、変更されました。

艦歴

1943年2月3日にマサチューセッツ州クインシーのベスレヘム・スチール社で起工し、1944年2月22日に進水、同年10月10日にジョン・E・ギングリッチ艦長の指揮下で就役しました。

就役後、ピッツバーグは東海岸沿いとカリブ海で訓練を実施し、1945年1月13日に太平洋方面へ出撃します。パナマを経由し、ハワイで砲撃訓練を行った後、ウルシー環礁で第58任務部隊に合流、航空母艦レキシントン (USS Lexington, CV-16) を中心とする第58.2任務群に配属されました。

硫黄島、沖縄戦における活躍

最初の任務は硫黄島攻撃であり、上陸部隊への支援砲撃を行いました。その後、東京や南西諸島への空襲を行った空母部隊の護衛任務に従事し、ウルシー泊地で補給を受けました。3月14日には九州南部を空襲する空母部隊の護衛に就き、3月19日には特攻機の攻撃で大破したフランクリン (USS Franklin, CV-13) の救援活動に参加、乗組員の救助や曳航作業を行い、ウルシー泊地への帰還を支援しました。

3月末からは沖縄戦に参加し、引き続き空母部隊の護衛任務に就きました。

コニー台風による損傷

1945年6月4日、沖縄南東の太平洋上において、第38任務部隊はコニー台風に遭遇しました。この台風により、ピッツバーグは艦首部分およそ32メートルが切断・脱落するという大きな損傷を受けました。幸い、ピッツバーグ自体に死傷者は出ませんでしたが、艦隊全体では死者6名、150機以上の航空機が使用不能となる被害が発生しました。

艦首を失ったピッツバーグは、応急修理の後、6ノットという低速でグアムへ後退、その後ピュージェット・サウンド海軍工廠へ向かいました。7月16日に到着しましたが、修理中に終戦を迎え、予備役艦に指定されました。

朝鮮戦争と台湾海峡危機

1951年、朝鮮戦争の勃発により現役復帰し、パナマ運河とグアンタナモを経由してノーフォークへ移動、第6艦隊に配備され地中海に展開しました。1953年と1954年にはインド洋に進出する演習にも参加しています。1954年7月29日には、セントローレンス川で衝突事故を起こしましたが、修理後任務に復帰。第一次台湾海峡危機発生時には第7艦隊に配属され、横須賀を母港として活動しました。

1955年2月の大陳島撤退作戦を経て、本国へ帰還。1956年8月28日付で予備役艦に編入され、ブレマートンで保管されました。

その後

1973年に除籍され、翌1974年にオレゴン州ポートランドで解体されました。

ピッツバーグは第二次世界大戦中の戦功により、2つの従軍星章を受章しています。

関連項目

アメリカ海軍艦艇一覧
アメリカ海軍巡洋艦一覧

外部リンク

* navsource.org: USS Pittsburgh

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