ピーター・コスグローブ

サー・ピーター・ジョン・コスグローブ

サー・ピーター・ジョン・コスグローブ（Sir Peter John Cosgrove、1947年7月28日 - ）は、オーストラリアの陸軍軍人であり、第26代オーストラリア総督を務めた人物です。

経歴

コスグローブは、陸軍准士官の子としてニューサウスウェールズ州シドニーで生まれました。1968年に王立ダントルーン陸軍士官学校を卒業後、ベトナム戦争に参加。1971年には、その功績が認められミリタリー・クロスを授与されました。その後、ロイヤルオーストラリア連隊第1大隊長、第6旅団長、ダントルーン士官学校校長、第1師団長といった要職を歴任しました。

1999年、東ティモール紛争の収拾を目的として、国連安保理決議1264に基づきオーストラリアを中心とした東ティモール国際軍 (INTERFET) が結成されました。当時、陸軍少将であったコスグローブは、司令官としてINTERFETを率い、東ティモールの治安回復と民兵の武装解除に尽力しました。彼は、単に治安維持を行うだけでなく、自ら積極的にメディアに対応し、東ティモール平和維持活動への国民の関心と支持を高めました。INTERFETは大きな犠牲を出すことなく任務を遂行し、コスグローブは国民的英雄として称えられました。

2000年には陸軍中将に昇進し、陸軍参謀長に就任。2002年には、陸軍大将・オーストラリア国防軍司令官に就任し、2005年に退役しました。

退役後は、カンタス航空の社外取締役やオーストラリア・ウォー・メモリアルの理事長を務めました。

2006年3月には、クイーンズランド州政府から、サイクロンラリーによって甚大な被害を受けた州の復旧復興活動タスクフォースの長に任命され、リーダーシップを発揮して復興活動を推進しました。

2014年1月、トニー・アボット首相は、クエンティン・ブライス総督の後任としてコスグローブを指名し、エリザベス2世女王がこれを承認しました。総督交代直前の3月25日、アボット首相はオーストラリア勲章のナイトを復活させ、総督は就任と同時にオーストラリア勲章のナイトまたはデイムに叙せられること、そして次期総督コスグローブ将軍には就任と同時に「サー」の称号が与えられることを発表しました。3日後の3月28日、コスグローブは正式に総督に就任し、サー・ピーター・コスグローブとして知られるようになりました。2019年7月1日に総督を退任しています。

コスグローブは、軍人としての卓越した能力に加え、そのリーダーシップと国民からの信頼の厚さから、オーストラリアの重要な役職を歴任し、国家に大きく貢献した人物として記憶されています。

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