ピート・ロバーツ

ピート・ロバーツのプロレスキャリアと日本での活躍

ピート・ロバーツ（1943年生まれ）は、イギリス出身の元プロレスラーであり、特にその技術力で知られています。巷では「ジュードー・ピート・ロバーツ」としても知られる彼は、柔道家としての前職を持ち、レスラーとしても卓越したスキルを発揮してきました。ロバーツは、1960年代初頭に故郷のバーミンガムでデビューし、その後、英国プロレス界で名声を築いていきました。

来歴

ロバーツは、トニー・セント・クレアーの父であるフランシス・グレゴリーからトレーニングを受け、初期のキャリアをスタートさせました。1960年代には、ジョイント・プロモーションズを拠点にし、旧西ドイツやオーストリアでのトーナメントにも積極的に参加しました。彼の対戦相手には、レネ・ラサルテスやチャールズ・フェルフルストなど、著名なレスラーたちが名を連ねています。1971年にはハノーバー・トーナメントに参加し、その実力を証明しました。

1973年10月14日、ベルリンでのローラン・ボックとの試合では、時間切れによる引き分けという結果を残すなど、その試合内容のクオリティからも彼のスキルが見て取れます。1978年11月には、アントニオ猪木がプロモートした『イノキ・ヨーロッパ・ツアー1978』に参加し、ボックとの再戦を果たしました。この時、ボックはロバーツを「最高のテクニシャンの一人」と評しています。

1980年にはロイヤル・アルバート・ホールでトニー・セント・クレアーと対戦し、続いてウルヴァーハンプトンでマーク・ロコとも戦いました。彼のキャリアの中でも特に印象的なのは、1984年12月にクロイドンでマーティン・ジョーンズを破り、世界ミッドヘビー級王座を獲得したことです。その後も、オールスター・レスリングに登場し、デイブ・フィンレーやデイブ・テイラーとの試合を経て、1992年のトーナメントではパット・ローチに敗北し、この時期の活動を締めくくります。

日本での活躍

1960年代の終わり頃、ロバーツは日本に進出を果たします。1974年1月にカール・ゴッチのブッキングで新日本プロレスに初来日し、その後もたびたび来日。彼は新日本の常連外国人選手として、トニー・チャールズやジェフ・ポーツとともにタッグを組み、その素晴らしい技術を反映した試合を展開しました。

1977年には、新日本マットに初めて登場したスタン・ハンセンと意気投合し、その友人関係は私生活にも波及しました。ロバーツは、藤波辰巳や初代タイガーマスクと対戦し、素晴らしい試合を繰り広げました。1980年8月24日には、田園コロシアムで木村健吾のNWAインターナショナル・ジュニアヘビー級王座に挑戦するなど、国内外問わずさまざまな挑戦を行っています。

その後、1984年11月にはカール・ゴッチの推薦により第1次UWFに参加し、ランカシャー・スタイルのレスリングを披露しました。1986年からは全日本プロレスに参戦し、渕正信の世界ジュニアヘビー級王座に3度挑戦したほか、2代目タイガーマスクやヒロ斎藤との好勝負も記録しています。

1993年の『サマー・アクション・シリーズ』が彼の最後の日本訪問であり、その後、2001年にハンセンの引退セレモニーに招待され、再び日本の土を踏むこととなりました。

得意技

ロバーツの得意技には、ローリング・バック・クラッチ・ホールドやヨーロピアン・アッパー・カットがあり、彼の試合は観客を魅了しました。

獲得タイトル

ロバーツは世界ミッドヘビー級王座を1度獲得しており、その詳細なキャリアはレスリングの歴史に刻まれています。彼の技術と情熱は、多くのレスラーやファンに影響を与え続けています。

もう一度検索