ファイターズヒストリー

ファイターズヒストリー

『ファイターズヒストリー』（FIGHTER'S HISTORY）は、データイーストが開発したアーケード用対戦格闘ゲームのシリーズです。家庭用ゲーム機にも移植され、一世を風靡しました。

概要

1990年代初頭の『ストリートファイターII』ブームに触発されて登場した本作は、数ある対戦格闘ゲームの中でも、カプコンから著作権侵害で訴訟を起こされたことで特に注目を集めました。訴訟は最終的に和解に至りましたが、データイースト側は「対戦空手道 青春美少女編」こそが対戦格闘ゲームの元祖であると主張しました。

シリーズ最大の特徴は「弱点システム」です。各キャラクターには頭部、胸元、足元など特定の弱点があり、そこを3回攻撃されると気絶します（各ラウンド1回のみ）。弱点の位置によって当てやすさが異なり、戦略的な要素を生み出しました。また、連続技中に「立ちやられ」と「しゃがみやられ」を切り替えることで、弱点への攻撃を回避できる可能性もありました。

シリーズ一覧

ファイターズヒストリー

1993年に稼働したシリーズ第一作。世界異種格闘技選手権大会「グレートグラップル」を舞台に、9人の格闘家がそれぞれの目的を胸に戦いを繰り広げます。主催者は謎の帝王「K」であり、その正体は同社のアクションゲーム『カルノフ』の主人公カルノフでした。

本作では、弱点部位への攻撃はダメージが増加するという特徴がありました。操作系はストIIと同様の6ボタン式（弱・中・強のパンチとキック）を採用。1994年にはスーパーファミコン版が発売され、特定の条件を満たすとクラウンとカルノフが使用可能になりました。2022年には『スーパーファミコン Nintendo Switch Online』にも収録されています。

ファイターズヒストリーダイナマイト

1994年稼働の続編。海外では『KARNOV'S REVENGE』として知られています。前作で敗北したKが再び格闘家たちを呼び寄せ、新たな闘いが始まります。操作系は4ボタン式に変更され、新システム「ワンツー攻撃」が導入されました。

使用可能キャラクターは13人に増加し、新キャラクターとしてテコンドー使いの柳英美と空手家のザジィ・ムハバが登場。カルノフのグラフィックが一新された他、既存キャラクターにも新技が追加されました。特定の条件を満たすと、隠しボスとして『空手道』の牛が登場しました。

家庭用ゲーム機としては、ネオジオROMカセット、ネオジオCD、セガサターンで発売。2017年からはアケアカNEOGEOの1作品として、PlayStation 4|PlayStation_4、Xbox One、Nintendo Switchでも配信されています。

ファイターズヒストリー 〜溝口危機一髪!!〜

1995年にスーパーファミコンで発売されたシリーズ唯一の家庭用オリジナル作品。主人公は溝口誠となり、クエストモード的な「溝口モード」が追加されました。また、タッグバトル、サバイバル、プラクティスの各モードが選択できる「エクストラモード」も搭載。

使用可能キャラクターは9人に減少し、新キャラクターとして『チェルノブ』の主人公チェルノブが最終ボスとして登場します。プラクティスモードでは、連続技の練習が可能で、2Pキャラクターが指南してくれるという珍しい機能がありました。

登場キャラクター

シリーズには、レイ・マクドガル、劉飛鈴、嘉納亮子、マットロック・ジェイド、サムチャイ・トムヤムクン、李典徳、溝口誠、ジャン・ピエール、マーストリウス、クラウン、カルノフといった個性豊かなキャラクターが登場します。彼らはそれぞれ独自の格闘スタイルや背景を持ち、物語を彩りました。

関連作品

カルノフ: シリーズに登場するカルノフが主人公のアクションゲーム。
空手道: 『ダイナマイト』に登場する牛が登場するゲーム。
チェルノブ: 『溝口危機一髪!』に登場するチェルノブが主人公のアクションゲーム。
水滸演武: プレイステーション版に溝口が隠しキャラクターとして登場。

その他

キャラクターの台詞には現地語が使用され、声優にはイタリア、フランス、韓国などから母語話者が起用されました。また、津雲幻一郎による漫画版が『コミックゲーメスト』で連載されました。

『ファイターズヒストリー』は、その独特なシステムや個性的なキャラクター、そして訴訟問題など、様々な話題を提供した対戦格闘ゲームシリーズとして、ゲーム史にその名を刻んでいます。

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