ファミコン互換機

ファミコン互換機とは

ファミコン互換機とは、任天堂が発売した家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ（ファミコン）」、および海外版である「Nintendo Entertainment System（NES）」のゲームソフトを遊ぶことができる、非公式な互換機を指します。これらの互換機は、任天堂のライセンスを受けていないものが大半です。

概要

互換機には、任天堂から正式なライセンスを受けた製品と、ライセンスを受けない非公式な製品が存在します。非公式のファミコン互換機は、1990年頃から登場し始めました。特に、南アメリカや南アフリカ、旧ソ連諸国など、任天堂から正規品が発売されなかった地域において、互換機はファミコンソフトを手軽に楽しむための重要な手段となりました。2003年に任天堂がファミコンの生産を終了し、ファミコンに関する特許権も消滅したため、現在は様々なメーカーが互換機を製造・販売しており、日本国内でも多数流通しています。

ライセンス

ライセンス製品

任天堂から正式なライセンスを受けて製造された製品としては、シャープの製品のみが存在します。「ファミコン」の名称はシャープの商標であったため、ライセンス契約が締結された経緯があります。詳細については、「ファミコンテレビC1」「ツインファミコン」「編集ファミコン」の項目を参照してください。

ノンライセンス製品

ファミコンの特許権が消滅した現在、互換機の製造・販売に法的な問題はないとされていますが、実際に司法判断が示された事例はありません。しかし、多くのメーカーが独自の互換機を製造・販売しています。

互換性の問題

ファミコン互換機は、すべてのファミコンソフトを完全に動作させられるわけではありません。

一部ソフトの非対応: 特に、中期以降に発売されたソフトや、特殊チップを搭載したソフトは正常に動作しない場合があります。これは、互換機のハードウェアが純正ファミコンと完全に一致しないことが原因です。
ライセンス製品でも非対応ソフトが存在: シャープの「ファミコンテレビC1」のようなライセンス製品であっても、一部のソフトが動作しないことがあります。これは、C1がカセット端子の特定のピンを装着の判断に使用しているため、このピンが拡張音源などで使用されている場合、カセットが未装着と誤認識されてしまうためです。
特殊機能の非対応: 拡張音源が鳴らないなど、カートリッジに内蔵された特殊機能に対応していない機種もあります。また、サウンドのデューティ比が純正機と異なるため、音色が変化してしまう機種も存在します。
周辺機器の制限: 多くの互換機は15ピンジョイスティック端子を備えていないため、周辺機器が使用できません。ただし、光線銃に関しては、海外のNESで普及していたこともあり、専用のものが用意されている機種もあります。
マイク機能の制限: ほとんどの互換機はIIコントローラー側のマイクを搭載していませんが、IIコントローラーの下とAボタンを同時に押すことで、マイク入力を代用できるものもあります。ただし、マイクを必須とする一部のゲーム（例: 『たけしの挑戦状』）では、互換機によっては特殊な操作が必要となる場合があります。
コネクターの問題: 海外向けの製品を流用した互換機では、NES用のコネクターが採用されている場合があります。機種によっては変換アダプターが付属しています。

特徴

発売されている互換機は多岐にわたりますが、多くの場合、互換機能の中核となるICチップは共通のものが使用されています。これらのチップは集積技術の発展により小型化され、1つのICにCPUやPPU、メモリなどが集約されています。また、多くの製品は、ニューファミコンと同様にAV仕様の本体となっています。

互換機には、以下のような特徴的な機種も存在します。

ポータブル型: 液晶モニターを内蔵し、乾電池で動作するポータブル型があります。
複数ゲーム機対応型: 1台でスーパーファミコンなど、他のゲーム機のソフトも遊べる機種があります。
エミュレーター型: 汎用のチップとエミュレーターを使用して、ファミコンの動作を再現する機種があります。
SDカード対応型: SDメモリーカードなどにゲームを保存し、切り替えて遊べる機種があります。
自作キット: 小さな基板のみが提供され、外装を自分で用意する自作前提のキットもあります。
デザイン模倣型: 純正のファミコンや、プレイステーション、Wiiなど既存のゲーム機のデザインを模倣した機種もあります。コントローラーも、さまざまなゲーム機のものを模倣したものが存在します。
内蔵ソフト搭載型: 複数のゲームソフトを内蔵している機種もありますが、これらの多くは初期の市販ソフトを無断でコピーし、著作権表示やタイトルなどを書き換えたものです。

製品例

以下に代表的なファミコン互換機を挙げます。ただし、無名メーカー（中国製など）の製品が多数存在します。

ふぁみ魂家郎（ゲームメイト）
ネオファミ（ゲームテック）
ファミレータ（サイバーガジェット）
CYBER レトロフリーク（サイバーガジェット）
ファミリンクス（リンクスプロダクツ）
スーパーニコファミ（リンクスプロダクツ）
RetroN（Hyperkin）
えふしーこんぱぁちぶる
VISION
FXTECH
ファミパチ21
FC HOME 88
FCモバイル2
ファミ・コンフォート
ファミ・コンパーチブル
ポリーステーション
FC X2
ゲームカセットコンピューター NEXT
Analogue Nt
Analogue Nt mini
GAME AXE
デンディ

その他、小型の筐体に液晶画面を付けポータブル化したものや、ゲームボーイアドバンスやニンテンドーDSのスロット2に互換機を差し込んでファミコンのソフトを動かせるものもあります。

脚注

これらの互換機は、任天堂の公式製品ではありません。
互換性には注意が必要です。
製品によっては、動作しないゲームソフトがあります。

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