ファルナケス2世

ファルナケス2世（紀元前63年 - 紀元前47年）は、ポントス王国とボスポロス王国の国王として知られています。父はミトリダテス6世、兄はアリアラテス9世です。

来歴

紀元前63年、父ミトリダテス6世がローマの将軍グナエウス・ポンペイウスに追われ、ファルナケス2世が統治するボスポロス王国へ逃れました。しかし、ファルナケス2世はパンティカパイオンで父を自殺に追い込み、その遺体をポンペイウスに引き渡すことでローマに降伏しました。この行動により、ポンペイウスはファルナケス2世をボスポロスとポントスの支配者として承認しました。

その後、ローマでポンペイウスとガイウス・ユリウス・カエサルの間で内戦が勃発すると、ファルナケス2世は父がかつて拡大し、後にローマに奪われた領土の奪還を目指し兵を挙げました。しかし、紀元前47年のゼラの戦いでカエサルに敗北。「来た、見た、勝った」というカエサルの言葉は、この戦いを象徴するものとして有名です。敗走したファルナケス2世は、クリミア半島の自身の本拠地で簒奪者アサンドロスによって殺害されました。

オペラの題材として

ファルナケス2世は、「ファルナーチェ」というイタリア語読みの名前で、18世紀のオペラ・セリアに登場します。アントニオ・ヴィヴァルディのオペラ『ファルナーチェ』（1724年）はその代表的な例です。また、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトのオペラ『ポントの王ミトリダーテ』（1770年）でも、重要な登場人物として描かれています。

参考文献

* Richard D. Sullivan: Near Eastern Royalty and Rome 100-30 B. C., Toronto, Buffalo 1990

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