フィディオン

フィディオン：競走馬としてのキャリアと日本競馬への貢献

フィディオン (Fidion, 1972年5月26日 - 没年不明) は、フランスで生産された競走馬であり、種牡馬として日本競馬に大きな足跡を残したサラブレッドです。フランスでの競走生活は、華々しい活躍とは言い難いものでした。1974年のデビュー以降、いくつかのレースに出走し、G3競走で2着に入るなど一定の成績を残しましたが、G1競走では勝ち星に恵まれませんでした。イギリスのダービーステークスにも挑戦しましたが、8着という結果に終わっています。

転機となったのは1976年、日本への輸入でした。日本ホースマンクラブが中心となって購入され、北野豊吉が経営するメジロ牧場に繋養されました。しかし、フィディオンは気性が荒く、扱いに苦労したため、後に門別町の牧場へ移されました。

種牡馬としての成功と晩年

競走馬としては平凡な成績に終わったフィディオンですが、種牡馬として開花します。当初は、ステイヤー（長距離向き）血統であることから人気がありませんでしたが、産駒の活躍によってその評価は一変しました。

特に、メジロデュレンの活躍は著しく、1986年の菊花賞、1987年の有馬記念と、GI競走を2勝しました。他にも、ブライトシンボリ（ステイヤーズステークス）、メジロトーマス（金杯・西、京都記念）、メジロボアール（阪神大賞典）など、中央競馬で4頭もの重賞勝ち馬を輩出。地方競馬でもヒデノデュレン（東海[[菊花賞]]、ゴールド争覇）が重賞を制しました。母の父としても、メジロモントレー（クイーンステークス、金杯・東、アルゼンチン共和国杯、アメリカジョッキークラブカップ）といった活躍馬を輩出しています。

これらの活躍によって、フィディオンは種牡馬として高い評価を獲得し、交配相手は50頭近くにまで増加しました。

1991年10月10日には種牡馬を引退、その後は用途変更され、没年は不明です。

フィディオンの競走馬時代と種牡馬時代の対比

フィディオンは、競走馬としては目立った成績を残せませんでしたが、種牡馬としては大きな成功を収めました。これは、競走成績だけでは測れない、優れた遺伝子を持っていたことを示しています。ステイヤー血統という、当時としてはややマイナーな血統であったにも関わらず、多くの重賞勝ち馬を輩出したことは、フィディオンの遺伝子の潜在能力の高さを示すものでしょう。

また、日本ホースマンクラブという、日本の競馬界の発展に貢献した団体が所有していたことも、フィディオンの日本における成功に影響を与えたと考えられます。

まとめ

フィディオンは、競走馬としてのキャリアは短く華々しいものではありませんでしたが、種牡馬として日本競馬に多大な貢献を果たしました。その功績は、多くの産駒が中央・地方競馬で重賞を制した事実が物語っています。競走馬としての活躍は限定的でしたが、種牡馬としての成功により、日本競馬史にその名を刻む存在となりました。没年が不明な点は残念ですが、フィディオンの遺伝子は、現在も日本の競馬界に息づいていると言えるでしょう。

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