フェッラーニア

フェッラーニア：イタリア発の感光材料メーカーの歴史

フェッラーニア（Ferrania）は、イタリアを代表する感光材料メーカーであり、そのブランド名でもあります。写真フィルム、カメラ、その他の写真関連製品の製造でその名を知られてきました。日本では「フェラニア」とも表記されます。

創業から3M傘下、そして再独立へ

1923年に創業したフェッラーニアは、1964年から1999年までの35年間、アメリカの巨大企業スリーエム（3M）の傘下に入りました。その後、「フェッラーニアテクノロジーズ株式会社」として再独立を果たしました。

歴史

- 1923年: 写真フィルム、印画紙、写真材料・器具の製造を開始し、創業。
- 1938年: 社名を「フェッラーニア」に改称。
- 1947年: カラーフィルム「フェッラーニアカラー」を映画市場に導入。
- 1964年: スリーエム（3M）による買収。
- 1996年: 3Mからイメーションの一部としてスピンオフ。
- 1999年: シュローダー・ヴェンチャーズに買収され、「フェッラーニアテクノロジーズ」として再組織。

創業前史

1915年、イタリアのカイロ・モンテノッテにあるフェッラーニア地区に、ソチエタ・イタリアーナ・プロドッティ・エスプロデンティの工場が建設されました。ここではニトロセルロース混合物の製造が開始され、これがフェッラーニアの前身となりました。

第二次世界大戦後の発展

1947年、フェッラーニアはカラーフィルム「フェッラーニアカラー」をイタリア映画界に導入しました。映画用フィルムとして、同社のパンクロマティックフィルム「フェッラーニアP30」は、映画『ふたりの女』（1960年）で使用され、この作品でソフィア・ローレンがアカデミー主演女優賞を受賞しました。

スリーエム傘下時代とグローバル展開

1964年、フェッラーニアはアメリカのスリーエムに買収され、ヨーロッパ市場（1967年）、北米市場（1972年）へ進出しました。1996年にはスリーエムのイメーション事業部として分社化されました。

再独立とその後

1999年、シュローダー・ヴェンチャーズによる買収を経て、「フェッラーニアテクノロジーズ」として独立。2000年には写真フィルムの製造を続け、「ソラリス」ブランドでの販売も開始しました。

その後、メッシナグループによる買収を経て、2007年初頭にコダックが生産を終了した「126フィルム」の製造を終了しました。2008年にはカラーフィルムの生産終了を発表しましたが、2009年には「ISO200」と「ISO400」の「135フィルム」の生産を継続しました。

多角的な事業展開

現在、フェッラーニアはインクジェットメディア、X線フィルム、デジタルヘルスイメージング機器、グラフィックアート材料、特殊プラスチックも製造しています。メッシナグループ傘下で、建設重機、鋼材加工、ビジネス・サービス業にも事業を拡大しています。

現在の拠点

2012年4月現在、フェッラーニアは創業以来の「フェッラーニアサイト」と、アメリカの「ウェザーフォードサイト」の2か所を拠点としています。

日本では、株式会社FUUVIが輸入業務を行い、「フェッラーニアソラリス」ブランドのフィルムやデジタルカメラを扱っています。