フォデラ・ギターズ (Fodera Guitars)
フォデラ・
ギターズは、
1983年にヴィニー・フォデラとジョーイ・ローリセラによって設立された、アメリカの楽器メーカーです。主に
エレクトリックベースと
プリアンプの製造を行っており、その製品は高品質で明瞭な音色が特長です。
沿革
設立者のヴィニー・フォデラは、10代の頃から
ギターの調整を自ら行っていました。彼はクラシック・
ギター製作の講座で知り合った友人を通じて、著名な楽器製作者ステュアート・スペクターと出会い、スペクターの工房で経験を積みます。そこで、ケン・スミスの楽器製作の指導の下、彼とともに工房の共同設立者となることになります。
1983年、ヴィニーはケン・スミスの販売を行っていた
ベーシスト、ジョーイ・ローリセラと意気投合し、フォデラ・
ギターズを設立。以来、美しい
エレクトリックベースの製造・販売を開始しました。
特徴
トップ材
フォデラでは、さまざまな木材から選択することができ、独特のデザインを持つYin-Yangモデルのように、異なる種類の木材を緻密に組み合わせることも可能です。また、PUカバーの材質についても、顧客の要望に応じた特注品を提供しています。
ボディ材
ボディ材にはアルダー、メイプル、ウォル
ナット、
マホガニー、アッシュなどが用意されており、デザインは各モデルに応じたシェイプで仕上げられます。
ピックアップ
採用されるピックアップには、
EMG、
セイモア・ダンカン、またはフォデラ独自の製品が主流です。他社製のピックアップにも対応しており、特にエアロやダンカンなどの木製PUカバーに関しては制限があるものの、しっかりとした音質を確保しています。
多弦ベース
フォデラは4、5、6弦の
エレクトリックベースだけでなく、過去には7弦モデルも製作していました。フォデラ製の弦も販売しており、幅広いニーズに応えています。
スケール
スケールは33、34、35、36
インチから選べるため、プレイヤーの好みに応じた最適な選択が可能です。また、ファン
フレットシステムを搭載したモデルも存在しています。
エクステンション・ローBシステム
伝統的な弦の配置を改良し、低音弦のペグをヘッド近くに設置することで、弦の張力を維持しつつ音質を向上させる技術を開発しました。これにより、明瞭で力強い低音サウンドを実現しています。
ヘッド
フォデラのヘッドには蝶を模したロゴが施されており、4弦モデルには幅広のClassicと細身のModernが、5弦と6弦モデルには独自のデザインが施されています。特に近年では、5弦と6弦のヘッドがコンパクトにデザインされています。
ネック
多くのモデルでは薄く幅広のネックを採用しています。スタンダードは3ピースですが、オプションで5ピースや7ピースも選択可能です。日本からの顧客の要望に応えて、ボルトオンネック方式の製品も展開しています。特定のモデルについてはスルーネックのみで製作されています。ネックとボディの接合部には化粧板が使用されています。
フィンガーランプ
フォデラはフィンガーランプの製作にも早い段階から取り組んでおり、トップ材と調和を取ったデザインが特徴です。
製造モデル
フォデラの各モデルは、その名が蝶に由来しています。具体的には以下のようなモデルがあります。
Monarch(モナーク)
フェンダー・プレシジョンベースを基にしたダブル・カッタウェイ型で、セットネック仕様が主流です。著名な
ベーシスト、ヴィクター・ウッテンも使用しています。
Emperor(エンペラー)
フェンダー・ジャズベースに基づいたダブル・カッタウェイ型で、ボルトオンの製品が増加しています。
マーカス・ミラーが使用している
フレットレス版もあります。
Imperial(インペリアル)
低音弦側が半弧を描く形状で、14
フレットまで接合されたシングル・カッタウェイです。多くのプロミュージシャンに使用されています。
Emperor II(エンペラーII)
こちらもシングル・カットモデルで、12
フレットまでなだらかに接合されています。
Beez Elite(ビーズエリート)
インペリアルを基に、流線型かつ鋭角なデザインとなっています。
シグネチャーモデル
フォデラでは特定のアーティスト用にカスタマイズされたシグネチャーモデルも展開されています。例えば、
アンソニー・ジャクソンのモデルや、ヴィクター・ウッテンのYin-Yangモデルなどが挙げられます。これらのモデルは、使用するアーティストの要求や好みに合わせて設計されています。
まとめ
フォデラ・
ギターズは、独自のデザインと高い品質を誇る楽器メーカーとして、愛好家やプロのミュージシャンに支持されています。多様なカスタマイズが可能で、プレイヤーの個性を引き出す楽器が手に入るのです。