フォルクスワーゲン・ゴルフVII

フォルクスワーゲン ゴルフVII：革新と進化を遂げた傑作ハッチバック

フォルクスワーゲン ゴルフVIIは、2012年に登場したゴルフシリーズの7代目モデルです。先代モデルまでのプラットフォームを一新し、フォルクスワーゲンが開発した次世代モジュールプラットフォームアーキテクチャ「MQB（モジュラー・トランスバース・マトリックス）」を採用しました。このMQBプラットフォームの採用により、高い走行性能と安全性、そして優れた生産効率と部品点数の大幅削減を実現しています。

デザインとボディ

ゴルフVIIは、先代モデルのデザインを踏襲しつつ、より洗練されたスポーティなスタイルへと進化を遂げています。全長、全幅、ホイールベースはわずかに拡大されましたが、全高は低くなり、より低重心で安定感のあるプロポーションが実現しました。また、サイドミラー付近には視界確保のため、新たに小窓が設けられました。約100kgの軽量化も達成し、走行性能の向上にも貢献しています。フロントアクスルを前方に移動、オーバーハングを短縮したことで、ハンドリング性能も向上しています。

室内空間と装備

インテリアは、ドライバーに向けた傾斜のある非対称デザインのダッシュボードが特徴的です。このデザインにより、広々としたレッグスペースが確保され、快適な運転空間が実現しています。

安全装備も充実しており、「プリクラッシュブレーキシステム」や「アダプティブクルーズコントロール（ACC）」といった先進の運転支援システムを標準装備しました。これらに加え、ミリ波レーダーやカメラによる高度な安全機能が多数搭載されており、高い安全性を確保しています。また、電動パーキングブレーキも新たに採用されました。（米国仕様は従来通り手動式）

エンジンとパワートレイン

エンジンは、ガソリンエンジンの「TSI」とディーゼルエンジンの「TDI」がラインナップされています。「TSI」は1.2L、1.4L、1.5L Evo（ACT気筒休止システム搭載モデルも設定）、2.0L（GTIおよびRモデルに搭載）の4種類、「TDI」は1.6Lと2.0Lの2種類が用意され、先代モデルに搭載されていた直列5気筒エンジンは廃止され、すべて直列4気筒エンジンとなりました。日本市場では、1.2L、1.4L、2.0L TSIエンジン(ACT搭載モデルを含む)と2.0L TDIエンジンが導入されました。トランスミッションは、全車に7速DSGが搭載され、GTIとRの一部グレードには6速MTが選択可能となっています。

リアサスペンションはグレードによって異なり、下位グレードにはトーションビーム式、上位グレードにはマルチリンク式サスペンションが採用されています。

安全性と走行性能

ゴルフVIIは、高い安全性を実現するために、製造コストの高い熱間成形による超高張力鋼板（日本基準1,500 MPa級）を車体全体の37％に採用し、レーザー溶接によって接合されています。これにより、高い剛性と安全性を確保しています。車体全体の7割を高張力鋼と超高張力鋼で構成することで、高いボディ剛性と安全性能を両立させています。

また、全モデルに9つのエアバッグ、「フロントアシストプラス」、「マルチコリジョンブレーキ」、「ドライバー疲労検知システム」といった安全装備を標準装備しています。欧州の自動車安全評価であるユーロNCAPにおいて最高評価の5つ星を獲得するなど、高い安全性を有するモデルとなっています。

日本市場での展開と販売状況

日本市場においては2013年6月に発売されました。発売当初はTSIトレンドライン、TSIコンフォートライン、TSIハイラインの3つのグレードが設定されました。その後、GTI、ヴァリアント、R、GTE、オールトラックなどの派生モデルも順次導入され、多様なニーズに対応できるラインナップが展開されました。また、限定車や特別仕様車も数多く発売され、高い人気を博しました。

ゴルフVIIは、その優れた走行性能、安全性、デザイン、そして多様なラインナップによって高い評価を受け、2013-2014年の日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど、大きな成功を収めました。ゴルフシリーズの累計生産台数はゴルフVIIまでに3500万台を突破しました。

もう一度検索