フジキ

フジキ（藤木）

フジキ（学名: Platyosprion platycarpum）は、マメ科フジキ属に分類される落葉高木です。和名はその葉がフジの葉に似ていることに由来します。別名としてヤマエンジュとも呼ばれています。

特徴

分布: 日本（福島県以南の本州中部から西部、四国、九州、対馬）および中国に分布します。
生育地: 山地の湿った場所に生育します。
形態:
高さ10-20mに達する落葉広葉樹の高木です。
幹は直立し、樹皮は灰褐色で滑らかです。
若い枝には毛が多く見られます。
葉は互生し、奇数羽状複葉で長さ20-30cm、3-17枚の小葉をつけます。
小葉は互生し、長さ4-8cmの卵状長楕円形で先端が尖っています。
葉の表面は緑色、裏面は淡緑色で、脈に沿って白い短毛があります。
花:
花期は6-7月です。
枝先に12-25cmの総状花序または円錐花序をつけ、白い蝶形の花を房状に咲かせます。
花は長さ12-15mm、萼は褐色、雄蕊は10本で離生しています。
果実:
長さ4-9cmの扁平な長楕円形の豆果です。
両側に翼があります。
冬芽:
互生し、黒褐色の毛に覆われた裸芽が葉柄の基部に包まれて越冬します（葉柄内芽）。
灰白色の薄い紙状の袋に包まれて保護されています。
枝の先には仮頂芽をつけます。
葉痕はO字形で、維管束痕が3個あります。
木材: 建築や細工物に用いられます。辺材は白色、心材は黄色です。

ギャラリー

フジキの葉
フジキの花
フジキの豆果
フジキの樹皮
フジキの冬芽

参考文献

鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽：四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、192頁。ISBN 978-4-416-61438-9。
平野隆久監修 永岡書店編『樹木ガイドブック』永岡書店、1997年5月10日、213頁。ISBN 4-522-21557-6。
掘田満ほか 編『世界有用植物事典』平凡社、1989年8月25日、287頁。ISBN 4-582-11505-5。
宮脇昭ほか 編『日本植生便覧 改訂新版』至文堂、1994年10月10日。ISBN 9784784301478。
邑田仁・米倉浩司 編『APG原色牧野植物大図鑑I 〔ソテツ科～バラ科〕』北隆館、2012年4月25日。ISBN 978-4-8326-0973-0。

関連項目

* エンジュ

もう一度検索