フリー・バード

レーナード・スキナード「フリー・バード」：時代を超えて愛される不朽の名曲

「フリー・バード」（Free Bird）は、アメリカのロックバンド、レーナード・スキナードが1973年に発表したデビューアルバム『レーナード・スキナード』に収録された楽曲です。ロニー・ヴァン・ザントとアレン・コリンズによって共作され、1974年にはショートバージョンがシングルとしてリリースされました。

楽曲の背景と制作

この曲は、1971年に交通事故で亡くなったデュアン・オールマンに捧げられたものです。当初は前半のスローな部分だけでしたが、ロニー・ヴァン・ザントの提案により、後半に長いギターソロが追加されました。また、バンドのローディーだったビリー・パウエルがイントロ部分を作曲し、この貢献がきっかけで彼は正式メンバーとして迎え入れられました。

1973年3月にはデモレコーディングが行われ、そのバージョンは後にアルバムのリマスターCDにボーナストラックとして収録されています。そして、同年4月3日に録音されたバージョンがアルバムに収録されました。プロデューサーのアル・クーパーがオルガンで参加し、アレン・コリンズはギブソン・エクスプローラー、ゲイリー・ロッシントンはリズムギターでギブソン・レスポール、スライドギターでギブソン・SGを使用しています。

反響と評価

アルバム発表から1年以上経った1974年11月にシングルカットされると、1975年には全米19位に達し、レーナード・スキナードにとって2作目の全米トップ20シングルとなりました。

「フリー・バード」は、『ローリング・ストーン』誌が選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500で193位にランクインし、2009年にはVH1の企画「100 Greatest Hard Rock Songs」で26位に選ばれました。特にギターソロは高い評価を受けており、『Guitar World』誌の「100 Greatest Guitar Solos」で3位、ギブソン公式サイトの「Top 50 Guitar Solos of All Time」では6位にランクインしています。

音楽評論家のBill Janovitzは、allmusic.comで「ロック史上初のパワーバラードの一つ」と評しています。

大衆文化への影響

この曲は、数多くの映画で使用されています。『アメリカン・ポップ』（1981年）、『フォレスト・ガンプ/一期一会』（1994年）、『デビルズ・リジェクト マーダー・ライド・ショー2』（2005年）、『スピード・レーサー』（2008年）、そして『キングスマン』（2015年）など、様々な作品のサウンドトラックを彩ってきました。

コンピュータゲームの分野でも、『グランド・セフト・オート・サンアンドレアス』のサウンドトラックに採用され、2010年には音楽ゲーム『ロックバンド3』で使用されました。プロレスの世界では、ファビュラス・フリーバーズが活動初期のテーマ曲として使用していました。

カバーバージョン

「フリー・バード」は数多くのアーティストによってカバーされています。

モリー・ハチェット：ライブアルバム『Double Trouble Live』（1985年）に収録。また、トリビュートアルバム『An All Star Tribute to Lynyrd Skynyrd』（2007年）でチャーリー・ダニエルズと共演。
ウィル・トゥ・パワー：1988年にピーター・フランプトンの「Baby, I Love Your Way」とのメドレー「Baby, I Love Your Way/Freebird Medley (Freebaby)」をリリースし、Billboard Hot 100で1位を獲得。
* ドレッド・ツェッペリン：アルバム『The Fun Sessions』（1996年）に収録。

「フリー・バード」は、レーナード・スキナードの代表作としてだけでなく、ロック史に残る重要な楽曲として、これからも多くの人々に愛され続けるでしょう。

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