ブドーチャレンジ

ブドーチャレンジ：ヒクソン・グレイシーが追求した技術重視の格闘技大会

ブドーチャレンジは、2005年10月19日にアメリカ・ロサンゼルスのオリンピック・オーディトリアムで開催された組技格闘技大会です。あのヒクソン・グレイシーが主催し、格闘技における技術の重要性を強く打ち出した大会として、その名を刻んでいます。

大会の背景と特徴

ヒクソン・グレイシーは、単なる力のぶつかり合いではなく、高度な技術が光る試合が見られる大会を目指していました。そのため、ブラジリアン柔術をベースとしながらも、ポイントによる優劣よりも、関節技や絞め技による一本決着を重視する独自のルールを採用しました。参加者は6階級に分かれ、各階級4人によるトーナメント方式で、優勝者には4000ドルの賞金が贈られました。

豪華な出場選手

この大会には、柔術世界王者のホナウド・ジャカレイ、マルセロ・ガッシアといった強豪選手が名を連ねました。さらに、日本からも勝村周一朗、青木真也、高瀬大樹、国原継悟といった実力者が参戦。柔道家の小室宏二、小斎武志も出場し、異種格闘技戦のような様相も呈していました。

独自のルール

試合は3分3ラウンド制で、道衣の着用が義務付けられました。ポイントシステムも特徴的で、パスガードなどのポジショニングによるポイントは一律1点。極め技がほぼ完成したとみなされる場合にのみ3点が加算されるという、一本決着を促すための工夫が凝らされていました。

各階級の試合結果

以下に、各階級の試合結果をまとめました。

60kg未満級
1回戦: 勝村周一朗 vs. モリス・ゴファール（勝村が判定勝利）
1回戦: ビビアーノ・フェルナンデス vs. エドワード・サンチェス（ビビアーノが三角絞めで勝利）
決勝: ビビアーノ・フェルナンデス vs. 勝村周一朗（ビビアーノが三角絞めで勝利）

68kg未満級
1回戦: 小室宏二 vs. ミシェル・ゴファール（小室がコムロックで勝利）
1回戦: レオナルド・ヴィエイラ vs. バレット・ヨシダ（レオナルドが三角絞めで勝利）
決勝: レオナルド・ヴィエイラ vs. 小室宏二（レオナルドが判定勝利）

77kg未満級
1回戦: キャメロン・アール vs. マルセロ・ガッシア（アールが判定勝利）
1回戦: 青木真也 vs. アリ・アブデルアジズ（青木が腕ひしぎ十字固めで勝利）
決勝: 青木真也 vs. キャメロン・アール（青木がアキレス腱固めで勝利）

87kg未満級
1回戦: ホナウド・ジャカレイ vs. マイク・ウィーバー（ジャカレイが腕ひしぎ十字固めで勝利）
1回戦: 高瀬大樹 vs. カール・アモーゾ（高瀬が三角絞めで勝利）
決勝: ホナウド・ジャカレイ vs. カール・アモーゾ（ジャカレイが三角絞めで勝利）
高瀬は背中を負傷し決勝を棄権。1回戦でアモーゾに勝利した高瀬が2位に認定。

98kg未満級
1回戦: シャンジ・ヒベイロ vs. ジヴァニウド・サンターナ（ヒベイロが送り襟絞めで勝利）
1回戦: ロバート・ドリスデール vs. 国原継悟（ドリスデールがチョークスリーパーで勝利）
決勝: シャンジ・ヒベイロ vs. ロバート・ドリスデール（ヒベイロが腕ひしぎ十字固めで勝利）

98kg以上級
1回戦: ハファエル・ロバト・ジュニア vs. ホーレス・グレイシー（ロバトがチョークスリーパーで勝利）
1回戦: 小斎武志 vs. ミオドラグ・ペトコビッチ（小斎が判定勝利）
決勝: ハファエル・ロバト・ジュニア vs. 小斎武志（ロバトが反則勝利）
小斎は試合後、反則（噛み付き）が故意であったことを認めた。

大会のその後

ヒクソンはブドーチャレンジのシリーズ化を構想していましたが、2008年現在、実際に開催されたのはこの一度きりとなっています。しかし、この大会は、ヒクソンの格闘技に対する哲学を色濃く反映した、記憶に残る大会として、今もなお語り継がれています。

関連情報

グラップリング
ブラジリアン柔術
総合格闘技

外部リンク

Budo Challengeオフィシャルサイト
* バウトレビューによる試合結果

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