ブラバム・BT18

ブラバム・BT18について

ブラバム・BT18は、1966年にブラバム社によって製造されたレーシングカーで、主にフォーミュラ2（F2）やフォーミュラ3（F3）へ参戦するために設計されました。これ以前は、コーリン・チャップマンが導入したモノコック構造が主流となっていましたが、BT18は設計者ロン・トーラナックの意向を受け、伝統的な鋼管スペースフレーム構造を採用しました。

BT18は2台の車体番号「F2-18-66」と「F2-19-66」が1966年にF2に導入されました。エンジンには前年のモデルBT16で使用された本田技研工業製の1リッター直列4気筒エンジンが搭載されており、この年に新たに開発されたRA302Eエンジンは高出力を実現しました。結果としてBT18は、年間で13戦中の12勝を収め、特に開幕から5月まで連勝を続け、「不敗（unbeatable）」との評価を得るほどのパフォーマンスを示しました。

1リッター規定のF2はこの年限りで終了し、これによりブラバムのF2における活動の中でも最も成功を収めた年となりました。加えて、特例として1966年のドイツグランプリでは、F2規定の車両がF1に参戦することも許可され、プライベーターによってBT18が投入されました。

製造と構成

BT18は合計46台が製造され、その内訳はF2仕様の「BT18」が6台、F3仕様の「BT18A」が32台、ホンダからの要請により製造された「BT18B」が8台です。BT18Bはホンダレーシングスクール用に設計され、フォード・ケントエンジンを搭載しています。

ホンダのRA302Eエンジンは、1965年の「BT16」で使用されていたRA300Eエンジンの不調を受け、設計が見直されることとなりました。新たに開発されたRA302Eエンジンは150馬力で、コスワース製エンジンよりも高出力という特長があります。

日本への輸出

1966年末、鈴鹿サーキットを運営するテクニランドが約20台のブラバムを購入し、それを鈴鹿サーキットのレーシングスクールで使用する予定でした。この背景には、将来的に鈴鹿サーキットでもフォーミュラカーのレースを開催したいという構想がありました。しかし、日本グランプリは1966年以降、富士スピードウェイで開催されるようになり、レーシングスクールの計画は実現しませんでした。

テクニランドは購入したブラバムを一時保管していましたが、1967年の日本GPでエキシビジョンレースが行われ、鈴鹿サーキットの車両を活用するニーズが生じました。最終的にはテクニランドが半数の10台を国内のプライベーターに売却し、それらは「日本スピードカップ」で使用されることとなります。これらの車両は様々なエンジンに換装され、高い性能を発揮したことが日本のモータースポーツ界にも大きな影響を与えました。

レース成績

BT18のレースにおける成績は素晴らしく、F2での存在感を増しました。特に1966年のシーズンでは、各地のレースで数々の勝利を収め、その勢いはF1における出走許可につながりました。これにより、BT18は単なるF2カーとしての役割にとどまらず、国際的な舞台でも注目を浴びる存在となったのです。

このように、ブラバム・BT18は1966年のモータースポーツ界に多大な影響を与えたモデルで、その優れた設計と高い性能により、フォーミュラレースの歴史に名を刻むこととなりました。

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