ブラバム・BT26

レプコ・ブラバムBT26：スペースフレーム構造の傑作と進化

レプコ・ブラバムBT26は、1960年代後半のフォーミュラ1を席巻した名車です。ブラバムチームが開発したこのマシンは、革新的な設計思想と、強力なエンジンの搭載により、数々のドラマチックなレースを繰り広げました。

ロン・トーラナックの設計思想

BT26は、設計者ロン・トーラナックの集大成と言えるマシンでした。特徴的なのは、そのスペースフレーム構造です。これは、軽量かつ高剛性のシャシーを実現する革新的な手法で、当時のF1においては先進的な技術でした。アルミニウムパネルとの組み合わせにより、セミモノコック構造を実現し、軽量化に成功しています。しかし、燃料タンクに関するレギュレーション変更により、スペースフレーム構造はその後禁止されることとなります。BT26は、この構造を採用した最後のF1マシンの1台となりました。

エンジン換装と性能向上

初期のBT26は、レプコ製の860シリーズエンジンを搭載していました。しかし、このエンジンは信頼性に課題を抱えており、度重なるリタイアを喫していました。そのため、1969年には、より信頼性の高いコスワースDFVエンジンへと換装されました。この改良型はBT26Aと命名され、性能は飛躍的に向上しました。

ジャッキー・イクスとコンストラクターズランキング2位

1969年シーズン、BT26Aは、新加入のジャッキー・イクスを擁して大躍進を遂げました。イクスの卓越したドライビングテクニックとBT26Aの性能向上により、2勝を挙げ、見事コンストラクターズランキング2位を獲得しました。チームはフランク・ウィリアムズ・レーシングカーズの協力を得て、この好成績を収めました。

プライベーターへの供給と活躍

1970年、ブラバムチームは新型マシンBT33へと移行しました。これに伴い、BT26Aはプライベーターへと放出されました。しかし、その活躍はここで終わらなかったのです。ピーター・デ・クラークやジャッキー・プレトリウスといったドライバーの手によって、BT26Aはいくつかのノンタイトルレースで勝利を収め、その潜在能力の高さを証明しました。1971年の南アフリカGPが、BT26Aの最後のレースとなりました。

タスマンシリーズ参戦

1970年には、デレック・ベルがコスワースDFWを搭載したBT26Aでタスマンシリーズに参戦しました。ニュージーランドGPでは2位表彰台を獲得するなど健闘しましたが、エンジントラブルによりオーストラリアでのレースはキャンセルせざるを得ませんでした。

まとめ

レプコ・ブラバムBT26は、革新的なスペースフレーム構造、そして強力なコスワースDFVエンジンという組み合わせにより、F1の歴史に大きな足跡を残したマシンです。その高いポテンシャルは、プライベーターへと移行した後も発揮され続け、多くのドライバーに感動と興奮を与え続けました。BT26は、F1における技術革新と、ドライバーの技量の両方を示す象徴的な存在と言えるでしょう。

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