ブリティッシュ・カレドニアン航空

ブリティッシュ・カレドニアン航空（British Caledonian Airways、略称：BCal）は、1970年から1988年まで存在したイギリスの航空会社です。

概要

ブリティッシュ・カレドニアン航空は、1970年にブリティッシュ・ユナイテッド航空とカレドニアン航空という2つの中規模航空会社が合併して誕生しました。ブリティッシュ・ユナイテッド航空は主に国内線や近距離国際線を、カレドニアン航空は国際線チャーター便を運航していました。合併により、ブリティッシュ・カレドニアン航空はロンドンのガトウィック空港とプレストウィック空港を拠点とする、イギリスを代表する航空会社の一つとなりました。

事業拡大

設立当初はBAC 1-11型機を主力として、国内線やヨーロッパ域内の路線を中心に運航していました。しかし、1970年代から1980年代にかけてボーイング707型機を導入し、路線網を世界中に拡大しました。東京、ロサンゼルス、リオデジャネイロ、リスボンなど、世界各地の主要都市にボーイング747型機やマクドネル・ダグラス DC-10型機などのワイドボディ機を投入し、国際線における存在感を高めました。この拡大戦略により、ブリティッシュ・カレドニアン航空はイギリス第2の航空会社としての地位を確立しました。

吸収合併とその後

1988年4月、ブリティッシュ・カレドニアン航空は最大のライバルであったブリティッシュ・エアウェイズに吸収合併されました。この合併により、ブリティッシュ・カレドニアン航空は歴史に幕を閉じました。しかし、その後も同社の名前と垂直尾翼のマークは、ブリティッシュ・エアウェイズのチャーター便を運航する子会社「カレドニアン航空」としてしばらくの間存続しました。かつて使用されていた2レターコードのBRは、現在では台湾のエバー航空（1989年設立）が使用しています。

主な機材

ブリティッシュ・カレドニアン航空は、以下のような様々な機種を保有していました。

ブリストル ブリタニア
BAC-111型機
ボーイング707-320型機
ボーイング747-200B型機
マクドネル・ダグラス DC-10-30型機
ダグラス DC-7型機
エアバスA310-200型機
エアバスA320-200型機

主な就航地

ブリティッシュ・カレドニアン航空は、世界中の主要都市に路線を就航させていました。

東京（成田空港）
香港
ドバイ
リスボン
マイアミ
ダラス
ヒューストン
ロサンゼルス
カサブランカ
レシフェ
サンパウロ
リオデジャネイロ
ナイロビ

ブリティッシュ・エアウェイズの前身会社

ブリティッシュ・カレドニアン航空は、以下の航空会社とともに、現在のブリティッシュ・エアウェイズの歴史を構成する重要な要素となっています。

ブリティッシュ・エアウェイズ (1974-)
英国海外航空 (1939 - 1974)
インペリアル・エアウェイズ (1924 - 1939)
ハンドリー・ページ・トランスポート (1919-1924)
ダイムラー・エアウェイズ (1921-1924)
エアクラフト・トランスポート・アンド・トラベル (1916-1921)
インストーン・エアライン (1919-1924)
ブリティッシュ・マリン・エア・ナビゲーション (1923-1924)
ブリティッシュ・エアウェイズ (1935-1939)
スパルタン航空 (1933-1935)
ユナイテッド・エアウェイズ (1935)
ヒルマンズ航空 (1931-1935)
英国欧州航空 (1946 - 1974)
ブリティッシュ・カレドニアン航空 (1970 - 1988)
ブリティッシュ・ユナイテッド航空 (1960-1970)
カレドニアン航空 (1961-1970)

関連項目

かつて存在した航空会社の一覧
* レイカー航空

もう一度検索