ブルート (ゲームソフト販売)

株式会社ブルート：ゲームソフト販売フランチャイズの盛衰

株式会社ブルート（BRUT INC.）は、かつてゲームソフト販売店「ブルート」のフランチャイズ（FC）を全国展開していた運営会社です。本社は広島市佐伯区にありましたが、1999年3月に倒産しました。

概要

最盛期には400店を超える店舗数を誇り、業界最大のFCとして知られていました。しかし、市場の変化や経営戦略の失敗により、1999年に倒産という結末を迎えます。

略史

創業からトップ企業へ

ブルートの歴史は、ソフトウェア開発会社エスピーエム株式会社のブルート事業部が分離独立する形で、1988年7月に始まりました。設立後、FC展開を急速に進め、その規模を拡大していきます。

1991年には、他の有力FCと共に任天堂と「ファミコン」の商標使用に関するライセンス契約を締結。翌年にはジャパンテレビゲームチェーン協会（JAG）に参加し、「マルチメディアコンビニエンス」を掲げて大規模直営店舗「ハイパーブルート」を東京や広島に出店しました。TVCMにはブルドッグのキャラクターを使用し、「ブルート」の名を広く浸透させました。

自己破産への経緯

転機となったのは、1994年12月に発売されたプレイステーションの販売契約です。ブルートは、明響社（TVパニック）やボックスグループ（ドキドキ冒険島）と共に、ソニー・コンピュータエンタテインメントの要求する「再販価格維持」「中古品売買禁止」を遵守する「服従路線」を主張し、他のFCと対立。この対立が原因で、JAGは1996年に空中分解してしまいます。

その後、ブルートは前述の服従派とともにテレビゲームビジネス協議会（GRA）およびテレビゲーム専門店協会（ACES）に加盟。しかし、1998年以降、FCからの離脱が相次ぎます。ニンテンドウパワー書換端末の設置など、様々な対応策を試みましたが、業績の回復には至らず、1999年3月に約80億円の負債を抱えて広島地方裁判所に自己破産を申し立てました。

その後

倒産後、大半のFCはアクト（現NESTAGE）の「wanpaku」など他のチェーンに加入しましたが、一部には「ブルート」の店舗名で営業を続ける元加盟店も存在しました。

直営店は大部分が閉店しましたが、オメガ・プロジェクトと丸紅が救済に乗り出し、法人登記を東京都大田区へ移転。社名を熱血王株式会社に変更し、マルチメディアコンビニエンスブルート蒲田店など一部の店舗は「熱血王」に名称を変更して営業を継続しました。しかし、2002年までに全店が閉店、またはトップボーイなどへ営業譲渡されています。

広島の中古ゲーム市場

ブルートの自己破産後、広島の中古ゲーム市場は、ブックオフやゲオ、ブックマーケット、古本市場などの全国チェーン店、広島で創業したフタバ図書、地元チェーンのレプトンなどが店舗網を広げています。

その他

ブルートのOBには、2008年4月に東証マザーズを上場廃止になった株式会社オーベン代表取締役の上野智司氏がいます。

元加盟店

ブルート岩内店 （北海道岩内郡岩内町）
ブルート防府店 （山口県防府市）　※2010年1月閉店

外部リンク

* brut inc.,WELCOME! かつての公式サイト(Internet Archive)

もう一度検索