ブレイクスルー (クイーンの曲)

クイーンの楽曲「ブレイクスルー」



「ブレイクスルー」(Breakthru)は、イギリスのロックバンド、クイーンが1989年6月にリリースした楽曲です。アルバム『ザ・ミラクル』からのシングルカットとして発表されました。この曲は、イギリスで7位、オランダやアイルランドでは6位を記録しましたが、アメリカではチャート入りしませんでした。特徴的なミュージックビデオは、メンバーが蒸気機関車に牽引されたオープンカーで演奏するシーンが印象的です。

楽曲構成



この曲は、冒頭約30秒のスローなボーカルハーモニーパートと、その後のアップテンポなパートに大きく分かれています。前半部分はフレディ・マーキュリーが作曲し、デモトラックとして『A New Life Is Born』というタイトルで残っています。その後、ロジャー・テイラーが作曲したテンポの速いロックパートへと展開します。また、長尺バージョンのextended版も存在します。

フレディは、1989年のインタビューで、この曲を「2つのアイデアを融合させた良い例」と語っています。彼は約30あったトラックの中から厳選したと述べています。

リリース



シングルは、パーロフォンレーベルから7インチ、12インチレコード、5インチCD、カセットテープでリリースされました。アメリカではキャピトルレーベルから発売されました。B面には『スティーリン』が収録されており、これはイギリスの12インチ盤にのみ含まれています。他の12インチ盤や5インチCDには、『ブレイクスルー』の異なるバージョンと『スティーリン』が収録されています。ジャケットには、メンバー4人の目を組み合わせた写真が使用されています。

この曲は、アルバム『ザ・ミラクル』の他、『グレイテスト・ヒッツII』、『クイーン・プラチナム・コレクション』、『ボックス・オブ・トリックス』、『グレイテスト・ビデオ・ヒッツ2』、『グレイテスト・フリックスII』、そしてエレクトロニック・アーツが1989年に発売したゲーム『クイーン:ザ・アイ』にも収録されています。

ミュージックビデオ



ミュージックビデオは、イングランドケンブリッジシャーにあるニーン・バレー鉄道を2日間貸し切って撮影されました。メンバーは、この撮影がスタジオワークの良い気分転換になったと語っています。特に、マスコミに追われていたブライアン・メイや、エイズで体調を崩していたフレディ・マーキュリーにとっては、良い気分転換になったそうです。映像には、オックスフォードシャーのディドコット鉄道センターからレンタルした蒸気機関車No.3822が使用されています。メンバーはこの列車を「ミラクル・エクスプレス」と名付け、機関車の側面に大きく赤い文字でその名前を書き入れました。

ビデオのアイデアは、ロジャー・テイラーが歌のアップテンポなリズムから着想を得ました。映像は、ロジャーの当時のガールフレンドであるデビー・レングが、黒いマスクを付けた状態で線路の上を歩くシーンから始まります。その後、列車がトンネルに似せて作られた壁を突き破るシーンとともに、アップテンポのパートが始まります。メンバーは、列車が壁を突き破る前に気圧で壁が壊れ始めていたことに不満を漏らしていたそうです。

ビデオの大部分は、機関車が牽引するオープンカーでメンバーが演奏する映像で構成されています。ブライアン、ジョン、ロジャーはそれぞれの楽器を演奏し、フレディはオープンカーの上を歩き回りながら歌っています。デビーは、アップテンポパートのいくつかのシーンにも登場します。列車は30~60mphで走行しており、メンバーは自身に対して200万ポンドの保険をかけていたといわれています。また、このビデオの制作費は30万ポンドでした。

担当



フレディ・マーキュリー - リードボーカル、コーラス、ピアノ、キーボード
ブライアン・メイ - エレクトリックギター、コーラス
ロジャー・テイラー - ドラムス、キーボード、コーラス
ジョン・ディーコン - ベース
デヴィッド・リチャーズ - キーボード、シンセベース、プログラミング

シングル収録曲



7インチ盤
1. ブレイクスルー - Breakthru
2. スティーリン - Stealin'
12インチ盤
1. ブレイクスルー (12インチ・ヴァージョン) - Breakthru (12" Version)
2. ブレイクスルー (シングル・ヴァージョン) - Breakthru (Single Version)
3. スティーリン - Stealin'

チャート



チャートの記録は以下の通りです。

イギリス: 7位
オランダ: 6位
アイルランド: 6位

外部リンク



Official music video - YouTube
Lyrics at Queen official website

もう一度検索

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。