プエルト・カベヨの海戦

プエルト・カベヨの海戦 (1743年)

プエルト・カベヨの海戦は、1743年4月27日に、ジェンキンスの耳の戦争中に行われたイギリス海軍によるスペイン植民地の港、プエルト・カベヨへの攻撃です。この戦いは、度重なる敗北を喫していたイギリス海軍にとって、さらなる痛手となる結果となりました。

背景

1743年3月2日、サー・チャールズ・ノウルズ大尉率いるイギリス海軍は、ラ・グアイラの海戦でスペインに敗北しました。ラ・グアイラは、カラカスの港として、ギプスコアナ会社の貨物輸送の中心であり続けました。イギリス海軍本部は、1739年のラ・グアイラ襲撃の報告に基づき、その守備が脆弱であると考えていました。

ノウルズは新たな目標としてプエルト・カベヨへの襲撃を計画しました。プエルト・カベヨはギプスコアナ会社の艦隊が停泊する港であり、同社の船はスペイン海軍が本国から植民地へ兵隊、武器、補給、弾薬を輸送する上で重要な役割を果たしていました。プエルト・カベヨを破壊することは、ギプスコアナ会社とスペインにとって大きな打撃となると考えられました。

ノウルズの艦隊は、70門3等艦サフォーク、70門3等艦バーフォード、50門4等艦ノリッチ、50門4等艦アシスタンス、40門5等艦エルタム、24門6等艦スカーバラ、20門6等艦リヴリー、14門スループのオッター、8門臼砲艦コメットの9隻で構成されていました。

戦闘

ノウルズ率いるイギリス艦隊はラ・グアイラから出港し、スペイン領ボルブラータ港から北東4マイルの地点に到着しました。ノウルズはまず臼砲艦コメットを内港へ向かわせ、続いてプエルト・カベヨへの強襲を準備しました。スペイン軍はオッター艦に気づき、警戒を強めました。翌日、ノリッチ、エルタム、リヴリーが移動し、スペイン側の小さな砲台2門を砲撃しました。この攻撃の目的は、砲台の守備兵力を弱体化させ、夜間に大部隊を上陸させて前哨地を占領し、砲台を港の主要な要塞であるサン・フェリペ城へ向けることにありました。

ノウルズの行動は当初、効果を上げました。ノリッチ以下の3隻は午後7時まで砲台を砲撃し、続いてルーカス少佐率いる1,100から1,200人の兵士が午後10時30分にスペイン軍に気づかれずに上陸しました。しかし、上陸部隊は小さな砲2門とぶどう弾を装備したスペイン軍40名に遭遇し、イギリス艦隊まで潰走しました。翌28日、ノリッチ以下の3隻は砲撃を再開しましたが、効果はありませんでした。5月2日、カラカス総督ガブリエル・ホセ・デ・スロアガ・モユアは、増援として正規軍3個中隊と民兵300から400人を率いて到着しました。しかし、スロアガはその翌日、プンタ・ブラバ砲台の視察中にイギリス軍の砲撃で足を負傷しました。

弾薬と補給が不足してきたため、ノウルズは5月4日に総攻撃を試みましたが、イギリス艦隊が攻撃に移る前に風が止んでしまったため、攻撃は翌5日に延期されました。午前11時、ノウルズは艦隊に錨を上げるよう命じたため、スペイン軍は攻撃を察知して準備を整えました。攻撃計画では、アシスタンス、バーフォード、サフォーク、ノリッチがサン・フェリペ城を砲撃し、スカーバラ、リヴリー、エルタムは北側の砲台を攻撃することになっていました。

戦闘は午後1時に開始されました。午後4時、風が吹き始めたため、スロアガはイギリス艦隊が港を強襲すると予想し、閉塞船を港の入り口に沈めました。港の入り口が閉鎖されたため、ノウルズは2時間半後に撤退を命じましたが、風が止んでしまい撤退は困難を極めました。多大な損害を受けながら、ようやくスペイン砲台の射程外まで脱出できたのは午後9時のことでした。

その後

以前の襲撃で100人を失い、プエルト・カベヨでの襲撃で再び100人を失ったことで、ノウルズは5月7日の朝に最も損傷の激しい船をボルブラータの小島へ向かわせ、一方、残った臼砲艦でプエルト・カベヨの内港への砲撃を続けました。その後、ノウルズはスロアガに捕虜交換を提案し、スロアガは渋々ながらも給水を承諾しました。その後、ノウルズの艦隊は2隊に分かれて、それぞれ11日と13日にジャマイカに向けて出発しました。

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