プジョー・205

プジョー205：フランスの小型車が生んだ伝説

プジョー205は、フランスの自動車メーカー、プジョー社が1983年から1998年まで製造販売した小型ハッチバック車です。そのスタイリッシュなデザインと、数々のバリエーションモデル、そしてモータースポーツにおける輝かしい実績から、長年にわたって多くのファンを魅了し続けています。本稿では、プジョー205の歴史、バリエーション、そしてモータースポーツにおける活躍について詳しく解説します。

デザインと開発

プジョー205のデザインは、プジョー社内デザイン部門の「スタイル・プジョー」と、イタリアのカロッツェリアであるピニンファリーナによる共同作業の成果です。特に、カブリオレモデルのデザインと製造はピニンファリーナが担当し、その美しいプロポーションは高く評価されています。

日本市場への導入と販売

欧州で1983年にデビューしたプジョー205は、日本市場への導入が遅れました。これは、当時プジョー車の輸入販売を担当していた西武自動車販売がシトロエン車の販売に注力していたためです。結果として、1986年にオースチン・ローバージャパン(ARJ)が輸入を開始しました。その後、スズキとの提携により、スズキの販売網でも販売されるようになり、日本市場におけるプジョーブランドの認知度向上に大きく貢献しました。

バリエーションモデル

プジョー205は、多様なバリエーションモデルを展開することで、幅広い顧客層のニーズに対応しました。代表的なモデルとして以下が挙げられます。

205GTI: 1.6Lまたは1.9Lエンジンを搭載したホットハッチモデル。スポーティな走りとスタイリッシュなデザインで人気を博しました。左ハンドル、5速マニュアルトランスミッションモデルから始まり、後に右ハンドル、オートマチックトランスミッションモデルも追加されました。
205CTI (カブリオレ): ピニンファリーナがデザインを手掛けた美しいカブリオレモデル。1.6Lまたは1.9Lエンジンを搭載し、電動ソフトトップを採用したモデルも存在しました。
205ターボ16: グループB世界ラリー選手権参戦のために開発されたスペシャルモデル。1.8Lターボエンジンをミッドシップに搭載し、四輪駆動を採用していました。ロードバージョンは200馬力を発生し、限定生産されました。
その他: この他にも、ディーゼルエンジン搭載の205SRD、廉価版の205XS、ラコステとのコラボモデルである205ラコステ、ル・マン24時間レース優勝記念の限定車205ブロンシュなど、数多くのバリエーションモデルが存在しました。

モータースポーツでの活躍

[プジョー]]205は、モータースポーツにおいても大きな成功を収めました。特に、205ターボ16は、1980年代後半の世界ラリー選手権]で圧倒的な強さを発揮し、[[1985年と1986年にはドライバーズ選手権とマニュファクチャラーズ選手権のダブルタイトルを獲得しました。ミッドシップ4WDレイアウトを採用した205ターボ16は、当時のWRCを席巻し、グループB時代の伝説的なマシンとして名高いです。さらに、グループB消滅後には、パリ・ダカール・ラリーに参戦し、4連覇という偉業を達成しました。日本国内の全日本ラリー選手権にも参戦しており、AE86型トヨタ・カローラレビン/トレノとしのぎを削る名勝負を演じました。

まとめ

プジョー205は、優れたデザイン、多様なバリエーション、そしてモータースポーツでの活躍により、多くのファンを魅了した、プジョー社を代表するモデルの一つです。そのスタイリッシュなデザインは、現在でも多くの愛好家から高く評価されており、中古車市場でも人気が高いモデルとなっています。プジョー205は、単なる一台の車ではなく、時代を象徴する存在として、自動車史にその名を刻んでいます。

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