プジョー・P4

プジョー P4 (Peugeot P4)

プジョー P4は、フランスとドイツの自動車メーカーが共同で開発した軍用車両です。主にフランス軍で運用され、1981年から配備が開始されて以来、約13,500台が生産されています。P4は、軽快な動力性能と高い耐久性から、軍用ジープ的な存在感を持っており、現在も一部は最新型に換装されるなどして現役で活躍しています。

開発の経緯

1940年代の終わり、フランス陸軍はアメリカから供与された古いジープに代わる新たな軍用車輌の開発に着手しました。要求仕様は、大型無線機の搭載、空中投下能力、輸送機での空輸、そして重装備の歩兵4名が乗車可能であることが求められました。しかし、その当時は植民地独立の影響で計画が遅れ、1969年にオチキスM201が開発されましたが、性能には限界があり、新たな車両が必要となりました。

1970年代半ばになると、フランス陸軍は国内の自動車メーカーに車両開発を委託しました。シトロエン、プジョー、ルノー、パナールの4社が試作車を製作しましたが、いずれも陸軍の要求を満たすには至りませんでした。最終的にはメルセデス・ベンツのGクラスを基に、プジョーとメルセデス・ベンツが共同制作により、1978年に試作車が完成しました。1981年には正式にP4がフランス軍に採用されるに至ったのです。

配備と生産

P4はフランス軍に順調に納入されていきましたが、プジョーの業績不振から1985年にパナールでの生産に切り替わりました。その後、市場でも販売が行われましたが、高額な価格設定により民間市場での成功には至りませんでした。それでも、旧アフリカ植民地国への販売が試みられましたが、ドイツの反対により輸出は難航しました。しかし、条件付きで輸出が許可され、最終的には数ヶ国に納入されることとなりました。

派生型の展開

P4には多くの派生型が存在し、それぞれ異なる特性を持っています。

P4D

この型はガソリンエンジンからディーゼルエンジンへ変更されたもので、1992年に軍の要求に応じて2.5リットルのディーゼルエンジンが採用されました。また、5つの異なるバージョンに分かれています。

P4P

こちらは陸軍海兵隊の要求を受けて開発された軽装甲車型で、小銃防弾板が装備されています。国家憲兵隊治安介入部隊の隊員もその性能評価試験に参加しました。1990年代に約80台が製造されました。

P4 SAS

特殊部隊向けに設計されたこのバージョンは、第1海兵歩兵落下傘連隊に配備され、12.7mm重機関銃や7.62mm機関銃が標準装備されています。その柔軟な武装により、他の重火器も搭載可能です。

関連項目

P4は類似した軍用車両とともに、ジープやハンヴィー、ランドローバーなど、多くの軍事車両とともに軍事運用の中心的な役割を果たしています。特にその汎用性と耐久性から、戦闘や偵察任務において欠かせない存在となっています。

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