プロトン (自動車)

プロトン・ホールディングス (Proton Holdings Berhad)

プロトン・ホールディングスは、マレーシアに本社を置く自動車製造企業であり、1985年に設立されました。設立当初は政府の支援を受けて国産車の製造を開始し、その名称はマレー語の「Perusahaan Otomobil Nasional」の略で、国民自動車会社を示しています。現在、プロトンはイギリスのスポーツカー製造企業ロータス・カーズを傘下に持っています。2017年以降は中国の吉利汽車が株式の49.9%を所有し、企業の成長に寄与しています。

設立の背景と初期の発展

プロトンは、1980年代のマレーシアの首相マハティールによる国産車構想のもとに設立されました。当初、三菱自動車工業と緊密な提携を結び、その技術を使って車両の生産を行いました。しかし、次第に他のメーカーとの協力関係も築くようになり、独自の車種の開発へと移行しました。1990年代には、イギリスのロータス・グループを傘下に持つことで、自社開発による商品の幅を広げていきました。

輸出と国内市場の展開

設立から間もなく、プロトンは輸出事業にも力を入れ、特にイギリスやシンガポール市場においては低価格を武器に成功を収めました。マレーシアでは、1990年代から2000年代前半にかけて経済が成長し、それに伴いプロトンも多くの人々に支持されるようになりました。さらには、MVアグスタやロータス・カーズといった名門企業の買収も行われ、さらなる発展を見せました。

市場シェアの変動と競争

しかし、その後の市場競争が激化する中で、プロトンの国内市場シェアは低下していきました。特に、2002年時点では60%のシェアを保持していたものの、2005年には30%にまで減少しました。この減少は、競合するダイハツとの提携により生まれたプロドゥアや、独自開発車の不評などが影響していると言われています。

新たな株主と方向性

2012年には、筆頭株主であったカザナ・ナショナルが保有株をDRB-ハイコムに売却し、その後、吉利汽車が追加の株式を取得することで、新たな資本参加が進みました。これにより、輸出市場への強化が図られています。

プロトンの日本市場への進出

日本においてもプロトンは活動しており、モータースポーツやパーツ販売が行われています。特にサトリアネオについては、日本での販売が計画され、モータースポーツ基盤車両として注目されています。また、東京オートサロンでは新たなコンセプトモデルも披露されるなど、日本国内での存在感を増しています。

モータースポーツへの参入

プロトンは、モータースポーツの分野においても注力しており、マレーシア国内でのレース参戦にも力を入れています。アイリスR3MTCやサガR3MTCといったモデルは、マレーシアチャンピオンシップでの成功を収めています。

現在の状況と将来への展望

現在、プロトンはアイリスやサガ、ペルソナなどのモデルを展開し、かつての栄光を取り戻すべく努力しています。さらに、三菱自動車との提携を解消した後、独自の道を進む中で新たな市場機会を模索しています。今後、プロトンがどのように市場での地位を再構築していくのか、注目が集まります。

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