プロレスリング・ノア中継

プロレスリング・ノア中継とは

「プロレスリング・ノア中継」は、2001年 4月7日から2009年 3月29日まで日本テレビで放送されたプロレス中継番組です。新聞のテレビ欄などでは「ノア中継」または「プロレス」と表記されていました。この番組では、プロレスリング・ノアの試合を中心に放送していました。プロレスリング・ノアの詳細については、関連項をご参照ください。

地上波放送終了後も、日テレジータス（G+）で「プロレスNOAH スペシャル」「NOAH di コロッセオ」「独占NOAH情報」「NEXTノア」「プロレス激闘の記憶」といった関連番組が放送されました。これらの番組についても、本稿で解説します。

番組の概要

前史

この番組の前身は、2000年6月まで放送されていた「全日本プロレス中継」と、全日本プロレスからの選手大量離脱を受けて2000年 7月から2001年 3月まで放送されたプロレス情報番組「コロッセオ」です。「コロッセオ」は、掛布雅之氏が司会を務めていました。

番組開始

2001年 4月、番組名を「プロレスリング・ノア中継」と改め、ノア中継番組として新たにスタートしました。

放送内容

番組では、プロレスリング・ノアの中心選手である三沢光晴、小橋建太、秋山準、そしてフリーの高山善廣らの試合を中心に放送していました。通常は30分番組でしたが、ビッグマッチの場合は45分や1時間に拡大されることもありました。解説者としては、百田光雄、マイティ井上（レフェリー）、浅子覚（トレーナー）がレギュラーを務めていました。ただし、「全日本プロレス中継」時代とは異なり、プロレス雑誌やスポーツ新聞の記者、ライターなどは出演していませんでした。番組制作は、「全日本プロレス中継」から引き続き、日本テレビスポーツ部が担当しました。実況アナウンサーも全員、スポーツ担当のアナウンサーが務めていました。

特別放送

「全日本プロレス中継」と同様に、年末の最終放送日または年始の初回放送日には、試合中継ではなく、座談会や所属プロレスラーによるバスツアーなどの特別放送を行っていました。2003年 12月24日開催の「クリスマス大会」中継では、西尾由佳理アナウンサーが日本テレビ女性アナウンサーとして初めてプロレス実況を担当しました。

PPVとディレイ中継

2004年 7月10日の東京ドーム大会は、ノア初のPPVでの放送形態を取ったため、翌日の「ノア中継」ではメインイベントを放送できませんでした。しかし、2005年 7月18日に行われた2度目の東京ドーム大会は、関東地方を中心に翌日深夜に3時間半の「即日放送」としてディレイ中継されました。これは初の試みでした。

放送局

放送は主に日本テレビ系列局で行われていましたが、tvk（テレビ神奈川）やとちぎテレビなどの独立UHF局でも放送されていました。とちぎテレビではゴールデンタイムの19時30分に放送されていました。

報道番組との連携

2007年には、プロデューサーの今泉富夫氏が報道部に異動したため、日本テレビの報道番組「NNN Newsリアルタイム」や「NEWS ZERO」などで、小橋の復帰戦や汐留街頭プロレスなど、ノアの試合が度々取り上げられました。

ハイビジョン放送

テレビ朝日の「ワールドプロレスリング」がハイビジョン放送になった一方で、「ノア中継」は、マットに「レッツ!地デジ」のロゴが表示されていたにもかかわらず、最後までハイビジョン収録は行われませんでした。デジタル放送では4:3画像の「額縁放送」でした。2009年 7月4日に放送された三沢追悼番組も、過去のVTRが中心でしたが、4:3画像での放送でした。

番組ロゴ

番組名は、番組の冒頭数秒間に小さく表示されるのみで、その後には大きくPRO-WRESTLING NOAHと表記されたプロレスリング・ノアのロゴマークが提示されました。番組内で「プロレスリング・ノア中継」とは表記されませんでした。

地上波放送の終了

放送打ち切り

2008年 9月26日、関西地区の読売テレビでの放送が打ち切られました。その後も、関西地区を除く地域で放送が続けられましたが、視聴率は2%前後と低迷していました。同年12月7日の日本武道館大会の即日放送が関東地方で1.6%を記録し、翌週には0.6%まで落ち込みました。複数のスポーツ新聞が「ノア中継、来年3月末で打ち切り」と報じました。

打ち切り発表

ノアの仲田龍取締役は「放送継続に向けて交渉中」と打ち切りを否定しましたが、2009年2月23日、日本テレビの久保伸太郎社長が定例記者会見で、「ノア中継」とボクシング中継「ダイナミックグローブ」の3月末での地上波放送打ち切りを正式に発表しました。これにより、『日本プロレス中継』時代から50年以上続いてきた日本テレビ（地上波）のプロレス中継は幕を下ろしました。

その後の放送

地上波レギュラー放送終了後の2009年 7月5日、6月13日に死去した三沢光晴の追悼番組が「プロレス界の盟主三沢光晴追悼特別番組」のタイトルで、日本テレビを含むネット局で1時間番組として放送されました。

2010年8月14日深夜には、90分スペシャル番組「プロレス・ノア創立10周年特別番組」が関東ローカルで放映されました（ハイビジョン収録）。

G+への完全移行と撤退

G+での放送

2002年3月の放送開始時より並行放送されていたG+（地上波打ち切り当時は日テレG+）では、引き続きノア中継が放送されました。レギュラー解説者には、元週刊プロレス編集長の佐久間一彦氏が就任し、選手が解説する場合はゲスト解説扱いとなりました。

実況体制の変更

2016年からは、一部の放送回で日本テレビのアナウンサーが参加せず、フリーアナウンサーが実況を務めるようになりました。2018年以降はフリーアナウンサーのみの体制に完全移行し、塩野潤二氏がメインアナウンサーを務めました。

インターネット配信への移行

2020年1月にノアの経営がサイバーエージェントに移行したことで、同社系のDDT UNIVERSE（現・WRESTLE UNIVERSE）およびABEMAでのインターネット配信が開始されました。これに伴い、8月をもってG+におけるノア最新試合の中継は終了しました。なお、メインアナウンサーだった塩野氏は、引き続きWRESTLE UNIVERSE及びABEMAでもノアの実況を務めています。

現在のG+

現在G+では、日本テレビが権利を持つ過去の映像（日本プロレス及び全日本プロレスを含む）をアーカイブ放送しているほか、小橋建太プロデュース興行の中継も行っています。2023年9月には、過去の丸藤正道の試合映像がABEMAに貸し出されました。

G+における放送の特徴

野球のオフシーズンには、年数回ほど試合の生放送が行われていました。シーズン中でも、シリーズ開幕戦で使われる後楽園大会や、選手権試合が行われるシリーズ最終戦（日本武道館など）のほとんどが、深夜に同日放送されました。週末に行われる場合は、当日放送ができず、月曜日に振り返られることもありました。

2009年 6月15日20時00分に初回放送された「NOAH di コロッセオ」では、冒頭に三沢光晴氏の訃報が放送され、その後放送された試合映像の冒頭には「この放送は6月4日に収録したものです」という断りの字幕が表示されました。6月19日には、三沢氏の追悼特番が放送されました。

毎年12月31日から1月1日には、年越し特番が放送されていました。この特番では、ノア所属の特定の選手に焦点を当て、その選手のデビュー戦から現在までの活躍をまとめて放送していました。2010年から2011年の年越し特番では、プロレスリング・ノア発足10周年を記念し、この10年間の歴史をアナウンサーの座談会を交えて放送しました。

レギュラー解説者

中継終了時

佐久間一彦（スポーツライター）
小橋建太（ノアオフィシャルコメンテーター）

地上波時代

百田光雄
マイティ井上
高山善廣
本田多聞
浅子覚

ゲスト解説

天龍源一郎
三沢光晴
小橋建太
秋山準
SUWA
鈴木みのる
力皇猛
北斗晶

主な実況アナウンサー

日本テレビアナウンサー

平川健太郎
矢島学
菅谷大介
町田浩徳
新谷保志
蛯原哲
森圭介
辻岡義堂
安村直樹
久野静香
山本純也（ytv）
尾山憲一（ytv）
佐藤啓（中京テレビ）
伊藤拓（ミヤギテレビ）

フリーアナウンサー（2016年以降）

塩野潤二
市川勝也
新谷賢太郎

登場ゲスト

掛布雅之
武双山正士
仁志敏久

スタッフ

プロデューサー：梶田一郎、酒井基成
チーフプロデューサー：松本達夫
制作協力：AX-ON（旧：日テレビデオ）
製作著作：日テレ

関連番組

現在G+で放送中の番組

「プロレス激闘の記憶」

過去G+で放送されていた番組

「プロレスリング・ノアSP」
「NOAH di コロッセオ」
「独占NOAH情報」
「NEXTノア」

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