ヘリテージツーリズム

ヘリテージツーリズムとは

ヘリテージツーリズム（heritage tourism）は、文化遺産や自然遺産といった「ヘリテージ」を観光資源として活用する観光形態です。ヘリテイジツーリズムとも呼ばれます。

2002年の国連文化遺産年をきっかけに、ユネスコと世界観光機関（UNWTO）が中心となり、「世界遺産と持続可能な観光プログラム」が策定されました。このプログラムは、世界遺産を途上国における雇用創出や保全費用の確保に役立てることを目的とし、遺産の観光資源化を促進しました。

これにより、世界中でヘリテージツーリズムが広まりました。アメリカの市場調査によると、新型コロナウイルス感染症の流行により2020年には観光業が世界的に大きな打撃を受けたものの、ヘリテージツーリズム、特に世界遺産への関心は高く、移動の自由や衛生面での安全が確保されれば、2026年までに全世界で10兆円規模の産業に成長すると予測されています。この成長には、交通や宿泊などの関連産業も含まれています。

日本におけるヘリテージツーリズム

日本では、既存の文化財に加えて、明治以降の近代化遺産（特に産業遺産）に着目したヘリテージツーリズムが展開されています。これらの産業遺産を保存・活用することで、地域産業を支えてきた技術や先人の努力を後世に伝え、地域への誇りにつなげることが目的です。また、外部からの訪問者がガイドの案内を通じて学習・交流することも重視されています。

日本では平成期以降、新たな旅行・観光の形としてヘリテージツーリズムが注目されており、保存状態の良い近代以降の産業遺構が主な対象となっています。

日本におけるヘリテージツーリズムの例

日本では、以下の地域でヘリテージツーリズムの活動が行われています。

鉱山・炭鉱
福島県いわき市
愛媛県新居浜市

これらの地域では、かつての産業の遺構を見学したり、当時の様子を伝えるガイドツアーに参加したりすることができます。ヘリテージツーリズムを通じて、産業遺産の価値を再発見し、地域への理解を深めることができます。

その他の関連情報

ヘリテージツーリズムに関連する用語として、以下のようなものがあります。

ヘリテージング
ヘリテージング100選
リビングヘリテージ
稼働遺産

関連団体

ヘリテージツーリズム研究会

ヘリテージツーリズムは、観光振興だけでなく、文化遺産の保護や地域活性化にもつながる可能性を秘めた観光形態です。今後も、その発展が期待されます。

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