ベイグラントストーリー

ベイグラントストーリー



『ベイグラントストーリー』(VAGRANT STORY)は、2000年2月10日にスクウェア(現スクウェア・エニックス)よりPlayStation用ソフトとして発売されたロールプレイングアドベンチャーゲームです。

概要



本作は、その独特な世界観とゲームシステムで多くのファンを魅了しました。
『ファミ通』のクロスレビューでは、PlayStationで唯一40点満点を獲得し、プラチナ殿堂入りを果たしています。後に廉価版やダウンロード販売も行われ、現在でも高い人気を誇ります。

ゲームシステム



グラフィック



当時のゲームでは珍しく、背景やキャラクターを全てフルポリゴンでリアルタイムにレンダリングしています。
これにより、移動と戦闘がシームレスに移行し、没入感を高めています。プリレンダリングムービーの使用は最小限に抑えられ、キャラクターの表情変化もリアルタイムで表現されています。この表現は、PlayStationのゲームとしては先駆的な試みであり、『メタルギアソリッド』の影響を受けているとされています。

成長



主人公は、戦闘を通じて能力が直接成長するのではなく、武器や防具の熟練度を高めることで強くなります。バトルアビリティやブレイクアーツといった戦闘スキルは、物語の進行に合わせて習得します。

戦闘



敵とのエンカウントはシームレスに行われ、戦闘画面への切り替えはありません。バトルモードに移行することで、攻撃が可能になります。敵の部位(リム)を狙い撃ちするシステムがあり、リムにダメージを与え続けることでステータス異常を引き起こすことができます。

戦闘中には「RISK」という数値が上昇し、これが高くなると被ダメージが増加し、攻撃の命中率が低下します。このリスクを管理することが、戦闘を有利に進めるための鍵となります。

マップ



ゲームの舞台は、大きく分けて23のエリアで構成され、各エリアは複数の部屋に分かれています。部屋には名前が付けられており、都市レアモンデの雰囲気を伝える役割も担っています。一部の部屋は、パズル要素を含んでおり、箱を動かして道を切り開く必要があります。

称号



ゲームの進行度やプレイスタイルに応じて、様々な称号が与えられます。リスクブレイカーランキング、最速クリア時間、武器熟練度など、多岐にわたる評価基準があります。これらの称号を全て集めるには、複数回のプレイが必要となります。

周回プレイ



一度ゲームをクリアすると、アイテム以外のデータが引き継がれた状態で最初からプレイすることができます。これにより、さらにやり込み要素が深まります。

PlayStation 2での補完機能



PlayStation 2では、グラデーションが滑らかに表示されるようになり、テクスチャの絵がより美しくなります。

ゲームシステム用語



キューブ



レアモンデ内の部屋に置かれた立方体の足場です。様々な種類があり、移動や持ち上げ、破壊などが行えます。

パズルモード



キューブを使ったミニゲームで、設定によって省略も可能です。

トラップ



床に設置されたで、ダメージやステータス異常を引き起こします。中には回復効果を持つものも存在します。

ペンタグラム



セーブポイントであり、テレポートに使用できる場所です。

コンテナ



アイテムを一時的に保管する容器で、場所を問わずアイテムを取り出せます。

ファクトリー



武器や防具を合成できる部屋です。扱う材質がファクトリーごとに異なります。

合成



武器や防具を合成して、新たな装備を作り出すシステムです。同じ系統のアイテム同士でしか合成できません。

装備称号



武器や防具の属性値に応じて与えられる称号です。

称号



ゲームの達成度に応じて与えられる評価です。リスクブレイカーランクに関わるものもあります。

リスクブレイカーランク



プレイヤーの獲得スコアによって上がるランクです。ゲームクリア時の画像がランクごとに異なります。

リム



主人公や敵の体の部位を指します。攻撃を受けるとダメージを受けるだけでなく、リムの状態も悪化します。

リスク



主人公の冷静さを表す数値で、高いほど不利になりますが、回復魔法の効果が上がるといったメリットも存在します。

チェインアビリティ



戦闘中にボタンを押すタイミングを合わせることで、連続攻撃を繰り出すことができます。

ディフェンスアビリティ



敵の攻撃に合わせてボタンを押すことで、ダメージを軽減したり、回復したりできます。

ブレイクアーツ



強力な必殺技で、武器の種類によって技が異なります。使用すると主人公の体力を消費します。

魔法



グリモアと呼ばれる魔導書を読むことで習得できます。攻撃、回復、補助など様々な種類があります。古代語魔法は、モンスターなどが使用します。

特殊攻撃



モンスターなどが使用する攻撃で、部位を攻撃するものと、複数の部位を攻撃するものがあります。

ストーリー



グレイランド事件



物語は、カルト教団「メレンカンプ」によるバルドルバ公爵邸襲撃事件から始まります。主人公のアシュレイ・ライオットは、事件の首謀者シドニー・ロスタロットを追跡する中で、謎の城塞都市レアモンデに潜入することになります。

バルドルバ公爵殺害事件



公爵邸占拠事件から一週間後、バルドルバ公爵が殺害されます。アシュレイが容疑者として追われることになりますが、彼の行方は杳として知れません。

舞台



レアモンデは、古代キルティア時代に魔導師メレンカンプによって建てられたとされ、聖ヨクスが教えを広めた聖地でもあります。かつては栄えた都市でしたが、大地震によって廃墟となり、奇妙な現象が起こるようになったと伝えられています。

団体



新バレンディア王国



ゲームの舞台となる架空の国です。国教はヨクス教で、議会制を採用しています。

バレンディア国家評議会



バレンディア王国の国政を司る機関です。

バレンディア治安維持騎士団(VKP)



国家評議会直属の機関で、不穏分子の動きを抑える役割を担っています。主人公のアシュレイが所属するリスクブレイカーは、この機関の精鋭部隊です。

ヨクス教



聖者ヨクスを開祖とする宗教で、バレンディア王国の国教です。

法王庁



ヨクス教の最高機関です。

聖印騎士団クリムゾンブレイド



法王庁直属の騎士団で、メレンカンプ教団を追ってレアモンデに侵入します。

メレンカンプ教団



シドニー・ロスタロットを教祖とする新興宗教です。公爵邸襲撃事件など、数々のテロ事件を起こしています。

出来事



バレンディア内戦



36年前にバレンディア王国で起こった内乱です。バルドルバ公爵が王家側として終結に尽力しました。

グレイランド事件



バルドルバ公爵邸占拠事件から、公爵殺害事件までの一連の事件を指します。真相は謎に包まれています。

バルドルバ公爵邸占拠事件



メレンカンプ教団が公爵邸を占拠した事件です。

バルドルバ公爵殺害事件



公爵邸占拠事件から1週間後、公爵が殺害された事件です。

名称



グレイランド



事件の舞台となった貿易都市です。

レアモンデ



魔導師メレンカンプが建てたとされる都市で、物語の主な舞台です。



ゲームに登場する超常の力の総称です。

グリモア



魔導師メレンカンプが作成した魔導書で、魔法を習得するために使用します。

古代キルティア時代



魔導師メレンカンプが活躍した時代です。日常的に魔の力が使われていました。

不完全な死



魔に深く触れた者が、肉体を滅ぼしても魂が生き続ける状態です。

完全なる不死



肉体も魂も滅びない状態です。

ホーリーウィン



ヨクス教のシンボルで、「剣に二つ刃」の形をしています。

血塗れの罪



ヨクス教が異端者と認めた者に刻まれた入れ墨です。

登場キャラクター



アシュレイ・ライオット



主人公。元近衛騎士団所属の腕利きリスクブレイカーです。

シドニー・ロスタロット



カルト教団「メレンカンプ」の教祖です。

ロメオ・ギルデンスターン



聖印騎士団「クリムゾンブレイド」の団長です。

キャロ・メルローズ



VKPの情報分析官で、アシュレイのサポート役です。

ジョン・ハーディン



メレンカンプ教団の幹部で、シドニーの友人です。

ジャン・ローゼンクランツ



アシュレイの行く先々に現れる謎の男です。

サマンサ



クリムゾンブレイドのコマンダーで、ギルデンスターンの恋人です。

デュエイン、グリッソム



クリムゾンブレイド所属の神官です。

ティーガー、ニーチ



クリムゾンブレイドのコマンダーです。

バルドルバ公爵 / アルドゥス・バイロン・バルドルバ



新バレンディア王国の重鎮です。

ジョシュア・バルドルバ



バルドルバ公爵の一人息子です。

メレンカンプ



伝説の女魔導師です。

アラズラム・J・デュライ



オープニングで哲学的な文章を述べる架空の人物です。

メインスタッフ



坂口博信 - エグゼクティブ・プロデューサー
松野泰己 - 制作・監督
皆川裕史 - 美術総監督
吉田明彦 - キャラクターデザイン
村田琢 - メインプログラマー
秋山淳 - イベントディレクター
崎元仁 - 作曲

イヴァリースとの関連性



本作は、イヴァリースサーガの著者である松野泰己氏が関わっていますが、公式には直接的な関連性はないとされています。しかし、ゲーム中に登場する固有名詞が、イヴァリースアライアンスとして括られた作品に登場することから、関連性が示唆されています。

関連商品



書籍



『ベイグラントストーリー 最速攻略本 for beginners』
『ベイグラントストーリー完全ガイドブック 〜アシュレイ追跡調査報告書〜』
『ベイグラントストーリー アルティマニア

CD・その他のグッズ



『ベイグラントストーリーオリジナル・サウンドトラック』
ジッポーライター、シルバーネックレス、Tシャツ、キーホルダー、マネークリップ、カードケースなど
レアモンデ産ワイン

関連項目



ファイナルファンタジータクティクス
ファイナルファンタジータクティクスアドバンス
ファイナルファンタジーXII
イヴァリース

外部リンク



ベイグラントストーリー - スクウェア・エニックス
* ゲームアーカイブス版 紹介

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