ベガ (ストリートファイター)

ストリートファイターシリーズの悪役：ベガ

ベガ（Vega）は、カプコンの対戦格闘ゲーム『ストリートファイター』シリーズに登場する、圧倒的な存在感を放つキャラクターです。欧米ではM. Bisonとして知られています。

概要

ベガは、『ストリートファイターII』および『ストリートファイターZERO』シリーズにおいて、悪役として登場し、豪鬼と共にシリーズを代表するボスキャラクターです。悪の組織「シャドルー」の総帥として、シリーズの物語に深く関わっています。

『ストII』では、CPU専用キャラクターとして初登場し、シャドルー四天王の最後の1人として、最終ボスを務めました。サガットを倒した後に現れる演出は、プレイヤーに大きな衝撃を与えました。プレイヤーキャラクターとして使用可能になったのは、『ストリートファイターII'』からです。

キャラクター設定

サイコパワーと呼ばれる悪のオーラを操るベガは、シャドルーを率いて、麻薬取引などの悪事を重ねています。サイコパワーと体術を組み合わせた格闘術は強力で、「格闘王」とも呼ばれています。また、サイコパワーの力で肉体を乗り換え、何度でも復活する能力を持っています。

『ストリートファイターIII』シリーズには登場しませんが、シャドルーと共に健在であることが示唆されています。『ストリートファイターIV』では、リュウ、ケン、春麗、ガイル、キャミィによってシャドルーが崩壊したとされていますが、後に復活を遂げています。

ベガのデザインについて、開発者はタイを格闘技が強い国だと考えていたことや、悪の帝王のイメージとして『燃えよドラゴン』を参考にしたことを語っています。

容姿

肩にアーマーのついた赤い軍服と帽子を身に着けているのが特徴です。帽子にはシャドルーの紋章がついています。初期の作品では星型の紋章でしたが、『スーパーストリートファイターII』からは翼の付いた髑髏に変更されました。足に装着しているキックレガースはUWFを意識したデザインです。『ストリートファイターV』では白髪になり、軍服のデザインも変更されました。

長い割れ顎が特徴的で、他のキャラクターから突っ込まれることもあります。髪型はオールバックで、帽子を脱ぐ演出もあります。瞳は白目を剥いた状態であり、黒目がありません。これは、目線で動きを悟られないようにするためだと考察されています。

作品によって体格が異なり、『ストリートファイターII MOVIE』ではより大柄で筋肉質な体格になっています。『ストリートファイターZERO』シリーズではサイコパワー全盛期として同様の体格で描かれましたが、その後『ストリートファイターII』時代の体型に戻っています。

サイコパワー

サイコパワーは、ベガが悪意と憎しみを攻撃力に変換した超能力です。青白い炎のようなオーラで表現され、技の威力を高めるために使用されます。また、サイコパワーを相手に注入することで洗脳し、部下にすることも可能です。

ソウルパワーを操るローズとは、「魂を同じくする者」という設定があります。『ストリートファイターV』では、ローズとは元同門であることが明かされています。

代替ボディ

『ストリートファイターZERO3』では、殺意の波動に興味を持ち、リュウの肉体を乗っ取ろうとします。キャミィもベガの代替ボディとして作られたとされています。

『ストリートファイターIV』では、新たな代替ボディを得て復活し、最終ボスのセスはベガの代替ボディとなる予定でした。

名前

「ベガ」という名前は、強そうで悪そうなイメージでつけられました。開発時の名称は「鷲崎」または「イーグルヘッド」でした。

欧米版では、実在のボクサーであるマイク・タイソンの肖像権の問題や、Vegaという名前が女性的な印象を与えることから、シャドルー四天王の名前が交換されています。ベガはM. Bisonとして知られています。

M. Bisonの「M」が何の略かについては公式発表はありませんが、「Master Bison」や「The Mighty Bison」などとされています。

ベガ親衛隊

ベガは、世界中から集めた女性たちを親衛隊として組織し、世界征服のために活動させています。彼女たちは「Dolls」と呼ばれ、キャミィ、ユーニ、ユーリなどが所属しています。各国語の暦の月名にちなんで名付けられています。

『ストV』では隊員のコスチュームが一新され、個性が強調されています。また、隊員たちの個別プロフィールも公開されています。

クロスオーバー作品

多くのクロスオーバー作品に登場し、SNKのギース・ハワードとはライバル関係にあります。『VS.シリーズ』ではマグニートーがライバルとして描かれています。

『マーヴル・スーパーヒーローズ VS. ストリートファイター』では、メカザンギエフなどの改造人間を送り込むなど、悪役としての行動が描かれています。

人物像

一人称は「私」「ベガ様」「我」「わし」「オレ」など、作品によって異なります。

豪鬼とは対照的に、力は力で全て同じだと考えています。

経歴

元々は上昇志向の強い青年で、格闘技を通じてサイコパワーを身に着けました。師を殺害して暴走を開始し、シャドルーを築き上げました。

側近としてマイク・バイソン、バルログ、サガットを従えていましたが、サガットは後に離反し、F.A.N.Gが新たな側近となっています。

春麗の父やガイルの親友を殺害した過去を持ち、『スパII』ではサンダー・ホークの故郷を奪い、キャミィをスパイとして送り込むなど、数々の悪事を重ねています。

『ストリートファイターV』では、チェインズ計画で本格的な世界征服を開始しますが、リュウとの決戦で死亡したような描写がされています。

『ストリートファイター6』では、記憶を一部失った状態で登場しています。

ゲーム上の特徴

高い機動力と平均以上の体力を持ち、タメコマンドによる奇襲技を多数所持しています。ただし、強力な対空技は持っていません。

『ストII』では最終ボスとして登場し、高い攻撃力と奇襲的な技でプレイヤーを苦しめました。『ダッシュ』以降はプレイヤーキャラクターとして使用可能になり、ハメ技も存在しました。

『ZERO』シリーズではマントを着用し、浮遊しながら移動します。また、技の構成も変更されています。

『ストIV』では一般キャラクターとして登場しますが、物語上では重要な役割を担っています。

『ストV』では動作が遅くなり、接近戦が強化されました。

技の解説

ベガは様々な必殺技を持っており、サイコパワーを駆使した攻撃が特徴です。

サイコクラッシャーアタック
ダブルニープレス
ヘッドプレス
サマーソルトスカルダイバー
ベガワープ

これらの技を組み合わせ、相手を翻弄しながら戦います。

担当声優・俳優

数多くの声優や俳優がベガを演じてきました。

西村知道
若本規夫
楠大典
ラウル・ジュリア
ニール・マクドノー

まとめ

ベガは、ストリートファイターシリーズを代表する悪役であり、その強烈な個性と魅力的なキャラクター設定で、多くのファンを魅了してきました。シリーズを通して、その存在感は色褪せることなく、今後も様々な作品で活躍していくことでしょう。

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