ベロオーゼロ公国

ベロオーゼロ公国：歴史と変遷

ベロオーゼロ公国は、ルーシの分領制時代に存在した公国の一つで、首都はベロオーゼロ（現在のベロゼルスク）でした。1238年にロストフ公国から分立し、後にモスクワ大公国に併合されるという歴史を辿りました。

公国の成立と拡大

公国は、ロストフ公ヴァシリコ・コンスタンチノヴィチの息子グレプ・ヴァシリコヴィチが、1238年に父の死に伴い分領として相続したことに始まります。当初、公国にはヴェリキイ・ウスチュグ、ウグリチ、ヤロスラヴリといった都市が含まれていました。

初代君主グレプの治世下で、公国の領域は大きく拡大しました。ベロエ湖流域、シェクスナ川、クベンスコエ湖の流域地帯を包摂するまでに至り、その勢力を拡大していきました。

モスクワ大公国の支配下へ

しかし、14世紀に入ると公国は徐々に衰退していきます。1389年にはウラジーミル大公ドミートリー・ドンスコイの支配下に入り、モスクワ大公国の分領とされました。リューリク朝の流れをくむベロオーゼロ公家は、その後モスクワ大公国に仕えることとなり、現在もその男系子孫が残っています。

公国の終焉

一方、分領となった公国はヴェレヤと共にドンスコイの息子アンドレイに与えられ、さらにその息子ミハイルに継承されました。ミハイルの治世中、モスクワ大公イヴァン3世による公国への圧力は強まりました。1483年には、ミハイルの世継ぎ公子ヴァシーリーとその妻マリヤ・パレオロギナが、イヴァン3世の不興を買いリトアニアへ亡命するという事件が起きました。マリヤはイヴァン3世の妻ゾエ・パレオロギナの姪にあたります。

後継者を失ったミハイルは、自領を大公に遺贈することを決意し、1486年に彼の死と共に公国は正式にモスクワ大公国に併合され、その歴史に幕を閉じました。

ベロオーゼロ公国