ペプシマン (コンピュータゲーム)

ペプシマン：PSゲームの異色作が中古市場で高騰

1998年、日本のゲーム会社KIDより発売されたプレイステーション用アクションゲーム『ペプシマン』。ペプシコーラのCMやセガサターンゲーム『ファイティングバイパーズ』で人気を博したペプシマンを主人公に据えた本作は、その独特なゲーム性とシュールな演出で、独特の存在感を放っています。

奇妙な魅力にあふれるゲーム性

プレイヤーは、自動的に前進するペプシマンを操作し、ダッシュ、ブレーキ、ジャンプなどのアクションで障害物を避けながらステージを進んでいきます。ステージはサンフランシスコやニューヨークといった実在の都市を模したものが多く、ペプシの缶を集めることが目的です。ステージの合間には、実写映像が挿入され、ペプシを飲む男性の姿が映し出されます。この実写とゲームのギャップも、本作の魅力となっています。

ゲームの進行はシンプルながらも独特で、ペプシマンは自動で走り続け、時には民家に侵入したりするなど、予測不能な行動をとります。ステージにはペプシコーラにちなんだアイテムや仕掛けが多く配置され、スチールドラムに引っかかって操作が逆転するなど、ユニークなギミックが満載です。

全4ステージで構成されており、各ステージは3つのシーンで構成されています。1つ目のシーンではペプシの缶を集めながら目的地を目指し、2つ目のシーンでは目的を達成します。そして最終シーンでは、巨大なペプシ缶などに追いかけられるという、ハラハラドキドキの展開が待っています。

低予算ながら独特の世界観

本作は低予算で制作されたことが知られており、ステージ間のデモシーンには、ペプシを飲む男性の実写映像が使われています。この点も、ゲーム全体のシュールな雰囲気を醸し出しています。開発には、後のKIDのビジュアルノベルのシナリオライターとして知られる打越鋼太郎氏も参加しており、氏の最初の仕事となった作品でもあります。当初はボードゲームのテレビゲーム化を任される予定でしたが、ペプシマンの開発に参加することになったそうです。

批評家の反応と再評価

発売当時は、ゲーム誌『ファミ通』やIGNなどのメディアで、『クラッシュ・バンディクー』などの他のゲームと比較され、シンプルすぎるゲーム性や、低価格である点が指摘されました。しかし、その独特な世界観やシュールな演出は、一部のプレイヤーに強く印象づけられ、時間とともに再評価されています。

海外メディアのレビューでは、「つまらなくはなかった」、「ちょっとした洒落た気晴らし」といった評価がなされ、価格に見合うだけの価値があると評する声もありました。一方、ペプシマンを知らない人にとっては「ただのクソゲー」と酷評する声もあったり、アメリカ文化への皮肉が込められた作品と解釈する向きも存在するなど、賛否両論を巻き起こしました。

発売当時はあまり売れなかったものの、近年になって中古市場で人気が高騰しています。発売当時の価格は2800円程度でしたが、2024年には新品未開封品に9万円以上の値段がついた例も報告されています。

まとめ

『ペプシマン』は、その独特なゲーム性とシュールな演出、そして低価格にもかかわらず、近年再評価されているPS用アクションゲームです。独特の世界観と、中毒性のあるゲームシステムは、多くのプレイヤーを魅了しています。シンプルながらも奥深いゲーム性と、数々の奇抜な演出は、他のゲームにはない独特の魅力です。中古市場での高騰ぶりからも、その人気ぶりがうかがえます。

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