ペルニク

ペルニクは、ブルガリア西部に位置するペルニク州の州都であり、同名の基礎自治体の中心地です。ヴィスキャル山、ヴィトシャ山、ゴロ・ブルド山に囲まれたペルニク渓谷に位置し、ストルマ川の両岸に広がっています。この地域は、古くから人が住んでおり、紀元前4世紀にはトラキア人の要塞が築かれました。その後、古代ローマ人の居住地となり、後期新石器時代からトラキア人がこの地に存在したことを示す豊富な考古学的資料が残されています。歴史博物館には、この時代のバルカン半島中部で最も豊かな陶器のコレクションが保存されており、健康と医学の神であるアスクレーピオスやヒュギエイアに捧げられたレリーフや彫刻も展示されています。これらは、この地域にある鉱泉への人々の畏敬の念を示しています。

9世紀初頭、ペルニクは第一次ブルガリア帝国の重要な要塞の一つとなりました。ペルニクという名前は、スラヴ神話の神ペルーンに由来しており、その語尾にスラヴ語の地名の接尾辞-nikがついてペルニクとなりました。この名前は9世紀の文献に初めて記録されています。11世紀には、ブルガリア帝国のサムイルによる東ローマ帝国への抵抗において、ペルニクの要塞は重要な役割を果たしました。当時のペルニクを支配していたクラクラ公は、東ローマ軍による包囲攻撃を何度も防ぎました。その後、町はラスカの大公ステファン・ネマニャによって占領されました。

1396年から1878年まで、ペルニクはオスマン帝国の支配下にありました。この時代、ペルニクは帝国の内側に位置していたため、要塞としての重要性は低下しました。オスマン帝国からの独立後、ペルニクは小さな畜産の町として発展しました。20世紀に入ると、ペルニクは炭鉱と重工業の町として急速に発展しました。ペルニクの炭鉱が開発される前は、石炭はイギリスのカーディフから輸入されていました。ブルガリア社会主義政権時代には、1949年から1962年まで、ブルガリアの共産主義指導者ゲオルギ・ディミトロフの名を冠してディミトロヴォと呼ばれていました。

ペルニクには、文化宮殿、歴史博物館、炭鉱博物館、クラクラ公の要塞、ドゥフラタ洞窟、リラの聖イオアン聖堂など、多くの見どころがあります。また、毎年1月には、スルヴァ国際仮装大会が開催され、多くの観光客が訪れます。ペルニク出身の著名な人物としては、政治家のゲオルギ・ディミトロフとブルガリア大統領のゲオルギ・パルヴァノフがいます。

ペルニク基礎自治体には、中心都市ペルニクの他に、いくつかの町村（集落）が含まれています。また、ペルニクはいくつかの都市と姉妹都市提携を結んでおり、国際交流も盛んです。ペルニクには、PFKミニョル・ペルニクとFKメタルルク・ペルニクという2つのサッカークラブが存在します。

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