ホスト (ネットワーク)

ネットワークホストとは

ネットワークホスト（単にホストとも呼ばれます）は、コンピュータネットワークに接続されたコンピュータやその他のデバイスを指します。これらのホストは、ネットワーク上のユーザーや他のノードに対して、データベース、各種サービス、アプリケーションなどを提供する役割を担います。

ネットワーク層におけるホスト

ネットワークホストは、ネットワーク層（OSI参照モデルの第3層）において、固有のホストアドレスを割り当てられたネットワークノードです。これは、ネットワーク上で他のデバイスと識別し、通信するために不可欠です。

IPホストとインターネットホスト

インターネットプロトコルスイート（TCP/IP）を用いるネットワークに接続するコンピュータは、「IPホスト」と呼ばれることがあります。特に、インターネットに接続しているコンピュータは「インターネットホスト」または「インターネットノード」と呼ばれます。

これらのホストは、そのネットワークインターフェースに1つ以上のIPアドレスが割り振られます。IPアドレスは、システム管理者が手動で設定するか、DHCPサーバによって自動的に割り当てられるか、またはステートレスアドレス自動設定によって設定されます。

ホストとネットワークノードの違い

各ネットワークホストは物理的なネットワークノード（ネットワークデバイス）ですが、すべてのネットワークノードがホストであるわけではありません。例えば、モデム、ハブ、スイッチングハブのようなデバイスは、一般的にホストアドレスを持たず、ネットワークホストとはみなされません。ネットワークプリンタやルーターは、IPアドレスを持つものの、一般的なコンピュータではないため、ホストとみなされないことがあります。

クライアントサーバモデルとピアツーピアモデル

クライアントサーバモデルでは、ネットワークホストはサーバまたはクライアントのいずれかに分類されます。サーバはサービスを提供し、クライアントはサービスを利用します。一方、ピアツーピアモデルでは、すべてのホストが同等の立場でリソースを共有・使用します。

仮想化環境におけるホスト

単一のホスト上で複数の仮想マシンをホストすることが可能です。それぞれの仮想マシンは、単一のVNF（仮想ネットワーク機能）をホストできます。これは、リソースの効率的な利用と柔軟なネットワーク構成を可能にします。

ホストの起源と概念

オペレーティングシステムにおける伝統的な「ターミナルホスト」とは、端末にサービスを提供するマルチユーザーコンピュータやソフトウェア、あるいは自身より小さく低機能なデバイスに対してサービスを提供するコンピュータを指します。例えば、テレタイプ端末やディスプレイ端末が接続するメインフレームコンピュータが該当します。

インターネットにおけるホスト

「インターネットホスト」または単に「ホスト」という用語は、インターネットとその前身であるARPANETの規格を定めたRFC文書で広く使われています。ARPANETの発展初期には、ネットワークに接続するコンピュータは一般的にメインフレームコンピュータシステムであり、シリアルポートで接続した端末からアクセスできました。これらの端末は、ソフトウェアや演算処理能力を持たなかったため、ホストとはみなされませんでした。

RFCにおけるホストの定義

RFC 871では、ホストを「ネットワークに参加している複数のオペレーティングシステムと共にリソースを共有するために、コミュニケーションネットワークに接続された一般用途のコンピュータシステム」と定義しています。

まとめ

ネットワークホストは、現代のネットワークにおいて不可欠な要素です。IPアドレスを持ち、他のノードと通信し、サービスやリソースを提供します。物理的なデバイスだけでなく、仮想化された環境でも重要な役割を果たしています。

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