ボイジャーのゴールデンレコード

ボイジャーのゴールデンレコード：宇宙へのメッセージ

1977年、2機のボイジャー探査機が打ち上げられました。その探査機に搭載されたのが「ゴールデンレコード」です。これは、地球外知的生命体に向けて、地球の生命や文化を伝えるメッセージであり、人類の存在を示すタイムカプセルとしての役割を担っています。

ゴールデンレコードとは

ゴールデンレコードは、カール・セーガン氏が委員長を務める委員会によって選ばれた、地球の音や画像、音楽などを記録したレコードです。レコードには、115枚の画像、波や風、動物の鳴き声などの自然音、様々な文化や時代の音楽、55種類の言語による挨拶、そしてジミー・カーター大統領と国際連合事務総長クルト・ヴァルトハイムからのメッセージが収録されています。

パイオニア探査機に搭載された金属板でのNASAへの批判を考慮し、ゴールデンレコードには裸体の写真や線画は含まず、代わりに男女のシルエットが収録されました。これは、異星人がレコードを受け取った際に、誤解を招かないようにするための配慮でした。

収録内容の詳細

画像: 人類の生活、文化、科学技術などを示す115枚の写真。
自然音: 波、風、雷、動物の鳴き声など、地球上の様々な自然現象の音。
音楽: バッハ、ベートーヴェンなどのクラシック音楽から、様々な民族音楽まで、多様なジャンルの音楽。
言語: アッカド語から呉語まで、世界各地の55の言語による挨拶。
* メッセージ: カーター大統領とヴァルトハイム事務総長からのメッセージ。

レコードの素材と構造

レコード本体は金メッキされた銅製で、カバーはアルミニウム製です。カバーには、超高純度ウラン238が使用されており、このウランの半減期を利用することで、レコードを受け取った文明は、いつ頃収録されたかを推定することができます。

宇宙への旅

ボイジャー1号は、2004年に太陽系を脱出し、現在は星間空間を飛行しています。およそ4万年後には、へびつかい座の方向へ1.6光年の距離まで接近すると予測されています。ボイジャー2号は、約29万6000年後にシリウスまで4.3光年の地点を通過するとされています。

カール・セーガンは、「宇宙旅行をする技術を持った文明であれば、このレコードを再生できるだろう。これは、地球の住人からの希望のメッセージだ」と述べています。

ゴールデンレコードが与えた影響

ゴールデンレコードは、多くのSF作品に影響を与えています。映画『スターマン/愛・宇宙はるかに|スターマン_愛・宇宙はるかに』や、アニメ『ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー』など、様々な作品に登場し、人々に夢と希望を与え続けています。

日本との関わり

レコードには、日本の伝統音楽である「鶴の巣篭り」が収録されています。これは、尺八の本曲であり、日本を代表する音楽として選ばれました。

まとめ

ボイジャーのゴールデンレコードは、宇宙に存在するかもしれない知的生命体へのメッセージとして、地球の文化や生命を記録した貴重なタイムカプセルです。このレコードが、いつか誰かに発見され、解読されることを願ってやみません。

"ad astra per aspera"（困難を乗り越えて星の世界へ）

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