ボクシンググローブ

ボクシンググローブの概要

ボクシンググローブは、ボクシングやキック[[ボクシング]]をはじめとする打撃系の格闘技で使用される用具です。これらのグローブは拳を保護し、衝撃を和らげる役割を果たしています。主に試合用のオンスグローブと練習用のパンチンググローブの二種類に大別されます。

グローブの構造

一般的なボクシンググローブは、動物の革で作られた外皮に、衝撃吸収材が内蔵されています。拳全体を覆う形状となっており、最近主流となっているモデルは、サミングを防止するためのストッパーも装備されています。グローブを装着する際には、まずバンデージ（包帯）を巻き、その上からグローブを装着して固定します。

プロ用のグローブは通常、紐で結ぶ方式が採用され、さらにテーピングでしっかりと固定します。一方、アマチュア用のグローブには、選手の有効打の見やすさを考慮して、指先が白く塗られているものが多く、面ファスナー式になっていることが特徴です。

ボクシンググローブの歴史

ボクシングの歴史は古代ギリシャまで遡ります。当時は素手で戦っていましたが、拳の保護を目的に手袋が使用されるようになり、古代オリンピックではヒマンテスという革紐が拳を守るために用いられました。近代ボクシングが始まると、1743年には「ブロートン・コード」と呼ばれる初のルールブックが作成され、おそらく初めてグローブが普及しました。1867年にはクインズベリー・ルールが採択され、現在のボクシンググローブが確立しました。

世界のグローブメーカー

20世紀初頭、ボクシンググローブの製造はドイツのカスパーベルク・スポーツ、アメリカのエバーラスト、イギリスのジョン・ウッドブリッジ・アンド・サンズなどが先駆けとなりました。これに続き、日本のウイニング、イギリスのロンズデール、ライヴァル、ドイツのアディダス、アメリカのグラントなど、多くのメーカーが市場に参入しています。

グローブの規格と重さ

日本ボクシング連盟（JABF）や日本ボクシングコミッション（JBC）では、試合で使用するグローブに対して厳格な規定を設けています。例えば、JABFではシニア選手が片方10オンス、ジュニア選手は階級によって10オンスまたは12オンスを使用します。JBCの規則では、男子はウェルター級以上で10オンス、女子はアトム級以上で8オンスと定められており、これらの規定は安全性を考慮したものです。

近年の動向

1990年代初頭までは、6オンスのグローブが一般的でしたが、WBCが安全性向上の理由からこれを廃止したため、世界的に使用が少なくなりました。その後も、グローブの軽量化について様々な議論が行われており、今後のルール改正に期待が寄せられています。加えて、各メーカーはグローブの素材やデザインを改善し、選手の安全性を高めるための研究開発を進めています。

グローブでの殴打の安全性

ボクシンググローブを使用することで素手よりは外傷を減少させることができますが、脳への衝撃は軽減されません。さまざまな研究がなされたものの、グローブの重量と脳への影響に関しては未だに議論の余地があります。重いグローブは受けた衝撃の感覚が鈍化し、選手が続行する傾向があるため、意図せずに累積的なダメージを蓄積することも懸念されています。

終わりに

ボクシンググローブは、選手の安全を守るために欠かせないアイテムです。各メーカーの革新や規格の厳守が求められる中、今後もボクシングにおける安全性の向上が期待されています。

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