ボリス・アンネンコフ

ボリス・ウラジーミロヴィッチ・アンネンコフの生涯と軍歴

ボリス・ウラジーミロヴィッチ・アンネンコフ（1889年2月9日 - 1927年8月25日）は、ロシア帝国の白軍に属した著名な軍人です。彼はコサック出身で、貴族の家系に生まれ育ちました。親の影響を受けながら青年時代を過ごし、彼の父は退役軍人という経歴を持っていました。

幼年期から軍人への道

アンネンコフは1906年にオデッサの幼年団に入団し、その後1908年にはモスクワ士官学校を卒業しました。この時期から彼は軍人としての道を歩み始め、特に第一次世界大戦では、その実力を発揮することになります。1915年から1917年の間、彼はパルチザン支隊を指揮し、シベリア・コサック師団のパルチザン連隊長も務めました。

シベリア・コサック管区のアタマンに

1918年3月、アンネンコフはオムスク近郊のアタマンスカヤで非公式に創設されたシベリア・コサック管区のアタマンとして選ばれました。以来、白軍運動に関わり、その部隊と共にオムスクへ移動し、「師団」と呼ばれるパルチザン部隊を組織しました。1918年1月、彼はシベリアのシャラポフスカヤに駐屯し、3月12日にはソビエト当局に対して決起しましたが、この反乱は5月までに鎮圧され、オムスクは再びボリシェヴィキの支配下に入ります。

ボリシェヴィキとの戦い

しかし、アンネンコフの部隊はチェコ軍団の反乱後に勢力を回復し、西シベリアでボリシェヴィキとの闘争を続けました。1918年8月にはスラヴゴロドで蜂起し、ボリシェヴィキを虐殺するという残忍な結果をもたらしました。その後、アンネンコフはウラル戦線でさらなる戦闘を重ね、1919年5月にはカザフスタンのセミレーチエ地方に移動し、自らの部隊を「アタマン・アンネンコフ・パルチザン師団」に改編しました。これにより、彼は名実ともに一軍の指導者としての地位を固めました。

ソ連への帰還と悲劇

1919年8月、彼はアレクサンドル・コルチャークから独立セミレーチエ軍の司令官に任命されました。しかし、赤軍に敗北した後、彼は1920年5月27日に部隊と共に中国のウルムチに逃れますが、そこで中国当局に逮捕され、刑務所に入れられました。日本とイギリスの介入により1924年2月には釈放されますが、その後の人生はさらに厳しいものになりました。

1926年4月、彼は馮玉祥によってNKVDの諜報員に引き渡され、ソ連に強制的に連れ戻されました。彼は1年以上にわたる取り調べを受け、「内戦時の残虐行為」に関して死刑を言い渡されます。最終的に1927年8月24日、セミパラチンスクで銃殺されました。

名誉回復の拒否

その後、ソ連が崩壊した1999年には、ロシア連邦最高裁判所の軍事委員会がアンネンコフの名誉回復を拒否する決定を下しました。彼の生涯は、当時の混乱した時代を映し出す象徴的なものとなり、今もなお多くの議論を呼んでいます。

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