ボールズ・マホーニー:ハードコア・レスリングの魂
ジョナサン・レクナー、より広く知られる
リングネーム、ボールズ・マホーニー。彼は、その体を張った激しいファイトスタイルで、多くのプロレスファンを魅了しました。
1972年4月11日に生まれ、
2016年4月12日に44歳の若さでこの世を去りました。
デビューからECWでのブレイクまで
ラリー・シャープのモンスター・ファクトリーで鍛え上げられたレクナーは、
1987年にアブダー・シンとして
カルガリーのスタンピード・レスリングでデビュー。初期にはジョン・レクナーとしてWWF(現
WWE)にも出場しましたが、当時はまだ下積み時代。
マーティ・ジャネッティなどの相手を務めるジョバーとしての役割が主でした。
1994年からは、
ジム・コルネットが主宰するスモーキー・マウンテン・レスリング(SMW)にブー・ブラッドリーとして参戦。タミー・リン・シッチをマネージャーに従え、SMWビート・ザ・チャンプTV王座を獲得するなど、実績を重ねました。また、WWFにはザンタ・クロースという悪の
サンタクロースギミックで短期間登場するなど、様々な試行錯誤を繰り返していました。
しかし、彼のキャリアを決定づけたのは、1997年からの
ECW参戦でした。
AC/DC|AC_DCの『ビッグ・ボールズ』をテーマ曲に、ボールズ・マホーニーとしてリングに上がると、その過激なファイトスタイルと親しみやすいキャラクターで、瞬く間に人気レスラーとなりました。アクセル・ロッテンとのタッグで
ダッドリー・ボーイズと激しい抗争を繰り広げ、
田中将斗やスパイク・ダッドリーとのコンビでは
ECW世界タッグ王座を3度獲得しました。
2000年にはFMWに初来日し、日本のファンにもその存在感を示しました。
ECW崩壊後から晩年まで
2001年の
ECW崩壊後は、インディー団体を転戦。UXW(USA Xtreme Wrestling)では、
バンバン・ビガロ、サブゥー、
アル・スノーらとUXWヘビー級王座を巡り激闘を繰り広げました。
2006年には、
トミー・ドリーマー、サンドマン、
ロブ・ヴァン・ダム、サブゥーといった
ECWオリジナルメンバーと共に
WWEに登場。
ECWブランドが復活すると、
ECWオリジナルズの一員として活躍しました。また、ストリップ・ポーカーズのホストを務めるなど、リング外でも話題を集めました。
2008年に
WWEをリリースされてからは、再びインディー団体を舞台に活動。アクセル・ロッテンとの再タッグや、FTW(Fight The World Wrestling)でのホミサイドとのタッグなど、往年のファンを喜ばせる試合を見せました。
2012年には、ブルー・ミーニーとのタッグチーム、チーム・ブルーボールズを結成し、FBIと対戦するなど、話題を提供し続けました。
2013年には、
ECWのオマージュ団体であるカナダのHRT(Hardcore Roadtrip)に登場。ゲーリー・ウルフとのタッグチーム、ピットボールズとしてFBIと対戦しました。
2014年には
プエルトリコのWWL(World Wrestling League)に参戦し、サブゥーとWWLエクストリーモ王座をかけて対戦しました。
2016年4月12日、誕生日の翌日に自宅で意識不明の状態で発見され、心臓発作により44歳という若さで急逝。彼の死は、多くのプロレスファンに惜しまれました。
獲得タイトル
ECW世界タッグ王座:3回(w / 田中将斗、スパイク・ダッドリー×2)
SMWビート・ザ・チャンプTV王座:1回
IWAハードコア王座:1回
UXWヘビー級王座:3回
ボールズ・マホーニーは、そのハードコアなスタイルとエンターテイナー性で、プロレス史にその名を刻みました。彼の試合は、これからも多くのファンに記憶され、語り継がれていくでしょう。