ポルトガル領カーボベルデ

カーボベルデ海外州：ポルトガル植民地時代の歴史

カーボベルデ海外州とは、1462年にポルトガルによる植民が開始されてから、1975年に独立を果たすまでの期間を指します。この間、カーボベルデ諸島はポルトガル帝国の重要な植民地として、その歴史を刻みました。

発見と初期の入植

カーボベルデ諸島の発見は15世紀に遡ります。1444年、エンリケ航海王子の命を受けたアントニオ・ノリによって一部が発見され、その後、1460年にはサンティアゴ島を含む南東部の島々が、1461年から1462年には北西部の島々がディオゴ・アフォンソによって発見されました。ポルトガル人が到着する以前、この島々に人が住んでいた痕跡はありませんでした。

1462年、サンティアゴ島の南海岸にリベイラ・グランデ（現在のシダーデ・ヴェーリャ）が建設され、ポルトガルによるアフリカと南米の植民地化における重要な寄港地となりました。16世紀から17世紀にかけては、アフリカ、喜望峰、ブラジル、カリブ海を結ぶ海上貿易の中心地として繁栄し、奴隷貿易においても重要な拠点となりました。また、フォゴ島のサン・フィリペ（1470-1490年）、サンティアゴ島のプライア（1516年以前）、サント・アンタン島のリベイラ・グランデ（16世紀半ば）、サン・ニコラウ島のリベイ・ブラバ（1653年）など、他の地域にもポルトガル人の居住地が広がっていきました。

1492年には、異端審問がポルトガルに広がり、ジョアン2世やマヌエル1世によって数千人のユダヤ人がサントメ・プリンシペやカーボベルデに追放されました。彼らは貿易に従事することを許され、ランサードと呼ばれるフリーランスの商人として活躍しました。

海賊の襲撃と首都の変遷

リベイラ・グランデの繁栄は、ポルトガルと対立するフランスやイギリスなどの海賊による襲撃を招きました。フランシス・ドレーク（1585年）やジャック・カサール（1712年）などの海賊の襲撃により、リベイラ・グランデは衰退の一途をたどります。1587年から1593年にかけて建設されたレアル・デ・サン・フェリペ要塞も、その衰退を食い止めることはできませんでした。首都は1770年にプライアに移されました。

1680年のフォゴ山の噴火はフォゴ島に大きな被害をもたらし、多くの住民が近隣のブラヴァ島に避難しました。18世紀末には、北アメリカの捕鯨船がアゾレス諸島やカーボベルデ諸島周辺でクジラの捕獲を開始し、ブラヴァの港を利用して物資や飲料水を補給しました。ブラヴァ出身の男性は捕鯨船の船員として雇用され、一部はアメリカのマサチューセッツ州に定住しました。

1800年頃からは、サル島での塩の採取が盛んになり、1838年以降はミンデロに大西洋航路の船に供給するための石炭基地が設置され、急速に発展しました。19世紀には、プライアのプラトー地区が全面的に再開発され、道路が整備され、植民地風の建物や邸宅が立ち並ぶようになりました。1876年にはカーボベルデにおいて奴隷制度が廃止されました。

20世紀：衰退と独立へ

20世紀初頭には、ミンデロ港は大西洋横断航路における重要性を失いました。その原因には、船の燃料が石炭から石油に変わったこと、ダカールやカナリア諸島など競合する港が台頭してきたこと、そして港湾インフラへの投資不足などが挙げられます。

カーボベルデ海外州は、長きにわたるポルトガル植民地としての歴史を経て、1975年に独立を果たしました。しかし、その歴史は、現在でもカーボベルデの文化、社会、経済に大きな影響を与えています。

脚注

カーボベルデの歴史

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