マイケル・コンラン

マイケル・コンラン（Michael Conlan）は、1991年 11月19日に北アイルランドのベルファストで生まれたアイルランドのプロボクサーです。兄であるジェイミー・コンランも元プロボクサーとして知られています。アマチュア時代から国際舞台で活躍し、特に2012年のロンドンオリンピックではフライ級（52kg）で銅メダルを獲得。さらに、2015年の世界ボクシング選手権大会ではバンタム級（56kg）で見事な優勝を果たし、金メダルに輝きました。アマチュアキャリアの集大成として臨んだ2016年のリオデジャネイロオリンピックでは、再びバンタム級で出場しましたが、準々決勝で判定負けを喫しました。この判定結果に対して強い不満を表明し、リング上でジャッジに抗議の姿勢を見せただけでなく、テレビの生放送インタビューでアマチュアボクシング界の腐敗を厳しく非難したことは大きな話題となりました。また、リオ五輪期間中の賭博行為により、国際オリンピック委員会（IOC）から制裁を受けています。

アマチュアでの実績と騒動を経て、コンランは2016年のリオ五輪後にプロへの転向を表明しました。当初、フロイド・メイウェザー・ジュニア率いるメイウェザー・プロモーションズも獲得に関心を示していましたが、最終的には同年の9月16日、著名なプロモーターであるボブ・アラム率いるトップランク社と契約を締結しました。アラムは早くも9月23日の記者会見で、コンランのプロデビュー戦をアイルランドの祝日である聖パトリックの祝日に、ニューヨークのフールー・シアターで開催することを発表。異例の注目を集める中で、2017年3月17日、ティム・イバラを相手にプロキャリアをスタートさせ、3回TKOで快勝を飾りました。

プロ転向後、コンランは順調にキャリアを積み重ねていきます。2018年12月22日にはマンチェスター・アリーナでジェイソン・カニンガムと対戦し、WBOインターコンチネンタルフェザー級王座決定戦を制してプロ初タイトルを獲得。その後、2019年3月17日にはフールー・シアターでルーベン・エルナンデスを相手にこの王座の初防衛に成功しました。2019年8月3日には、故郷ベルファストでの試合でディエゴ・アルベルト・ルイスと対戦。WBOインターコンチネンタル王座の2度目の防衛を果たすと共に、WBAインターコンチネンタルフェザー級王座も獲得しました。さらに、2019年12月14日にはマディソン・スクエア・ガーデンで、リオ五輪で苦汁をなめさせられたウラジミール・ニキーチンとの再戦が実現。判定ながらも雪辱を果たし、WBOインターコンチネンタル王座の3度目の防衛を果たしました。

階級をスーパーバンタム級にも移し、2021年4月30日にはヨーク・ホールでイオヌット・バルタに判定勝利を収め、WBOインターナショナルスーパーバンタム級王座を獲得。そして2021年8月6日、ベルファストでの試合は、当初予定されていたTJ・ドヘニーとのWBOインターコンチネンタル王座防衛戦から急遽変更され、WBA世界フェザー級暫定王座決定戦として行われることになりました。コンランはこの一戦に臨み、ドヘニーから判定勝利を奪い、WBA世界フェザー級暫定王座を獲得しました。しかし、WBAが暫定王座の廃止を決定したため、コンランは防衛戦を行うことなく暫定王者としての期間を終えました。

正規王座への挑戦の機会を得たコンランは、2022年3月12日、ノッティンガムでWBA世界フェザー級レギュラー王者リー・ウッドと対戦。初回にダウンを奪うなど試合を優位に進め、11回終了時点ではジャッジ3者全てがコンランをリードとする僅差の展開でした。しかし、11回に自身もダウンを奪われると、続く12回にウッドの連打を浴び、失神してリング外に転落する壮絶な形でレフェリーストップTKO負けを喫し、世界王座獲得はなりませんでした。再起を図る中、2023年5月27日にはIBF世界フェザー級王者ルイス・アルベルト・ロペスに挑戦しましたが、5回TKOで敗退。世界王座獲得は再び叶いませんでした。

2023年10月7日、プロ転向以来長らく所属したトップランク社との契約満了を発表。新たな体制で臨んだ2023年12月2日の試合では、WBAインターナショナルスーパーフェザー級王座決定戦でジョーダン・ギルと対戦しましたが、7回TKO負けを喫し、再起戦を勝利で飾ることはできませんでした。

獲得タイトル

アマチュア

ロンドンオリンピックフライ級銅メダル

プロ

WBOインターコンチネンタルフェザー級王座
WBAインターコンチネンタルフェザー級王座
WBOインターナショナルスーパーバンタム級王座
* WBA世界フェザー級暫定王座

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