マグニテュード

マグニテュード：英国育ちの種牡馬の軌跡

マグニテュード（Magnitude、1975年3月16日 - 2004年3月4日）は、輝かしい競走馬としてのキャリアを築いたわけではありませんでしたが、日本の競馬史に大きな足跡を残したアイルランド産の種牡馬です。

期待と現実の狭間：競走馬時代

父に大種牡馬ミルリーフ、母にイギリスの1000ギニーとオークスを制した名牝アルテッスロワイヤルという、まさに恵まれた血統を受け継いで誕生しました。しかし、イギリスでの競走馬生活は、6戦未勝利という結果に終わりました。その才能を秘めた素質を見抜いた関係者によって、日本へ渡り、種牡馬としての道を歩むこととなります。

伝説の誕生：種牡馬としての成功

胆振軽種馬農協の種馬場を拠点に、マグニテュードは種牡馬としてのキャリアをスタートさせました。そして1989年、彼の代表産駒となるミホノブルボンが誕生します。ミホノブルボンは、高額な種付料がネックとなり、当初は選択肢から外れていた別の種牡馬の代替として、マグニテュードが選ばれたというエピソードはあまりにも有名です。

それまでのマグニテュード産駒は、短距離戦で活躍する馬が多かったことから、ミホノブルボンの東京優駿（日本ダービー）や菊花賞といった中長距離レースでの活躍は、大きな驚きをもって迎えられました。ミホノブルボンはダービーを制覇、菊花賞では2着と、その能力の高さを証明しました。

多くの名馬を輩出

ミホノブルボン以外にも、マグニテュードは数々の活躍馬を輩出しました。桜花賞を制したエルプス、阪神3歳ステークスを勝ったコガネタイフウなど、その子孫たちは、日本の競馬界に多大な貢献を果たしました。












さらに、ブルードメアサイアー（母の父）としても、メイショウテゾロなど、多くの活躍馬の血統に貢献しています。

血統と歴史

マグニテュードの4代母キーボードは、名馬マサタカラを産んだ馬としても知られています。キーボードを日本に輸入したのは、マグニテュードの母父セントクレスピンの代表産駒であるタイテエムの生産者としても有名な出口留雄氏です。

永遠の休息

2004年3月4日、マグニテュードは生涯の幕を閉じました。晩年を過ごした吉田牧場には、今も彼の墓標が静かに佇んでいます。競走馬としての華々しい活躍はありませんでしたが、種牡馬として日本の競馬界に多大な貢献を果たした彼の功績は、永遠に記憶されるでしょう。

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