マツダ・カペラ

カペラ（Capella）

カペラは日本の自動車ブランドであるマツダが製造・販売していた中型乗用車です。本車はファミリアと並んで、マツダ乗用車の中核をなすモデルとして知られています。特に3代目以降は欧州市場を意識した設計が施され、ヨーロッパへの輸出も多く行われました。さらに4代目からは当時の日本車としては珍しい5ドアハッチバック仕様が導入され、この設計思想はその後のアテンザにも受け継がれています。国外では「マツダ・626」として販売されていました。

初代 SNA/SU2A/S122A型（1970年 - 1974年）

1970年5月に登場した初代カペラは、「風のカペラ」という愛称で親しまれました。このモデルは、ファミリアの上位機種として位置づけられ、12A型ロータリーエンジン及び1,600ccレシプロエンジンの2つのエンジンバリエーションを提供しました。12A型ロータリーエンジンは、カペラ専用に開発されたものであり、燃焼効率を高める排気孔の設計やトルク特性の改善がなされていました。このエンジンは最高出力120PSを誇り、190km/hの最高速度を達成しました。これによって、当時の日本車としては非常に高性能な車とされ、モーターレースにも参戦しましたが、車体の重さが課題となり、日産のスカイラインGT-Rには敵わない結果に終わりました。

1971年には、レシプロエンジンに1,500ccが追加された他、1971年10月にマイナーチェンジを実施し、Gシリーズとして4灯ヘッドライトを導入しました。1973年までのロータリーエンジン搭載モデルは、合わせて6万台以上の販売を記録しました。この初代モデルの輸出名は「マツダ616」と「マツダ618」で、ロータリーエンジン搭載車は「マツダ・RX-2」としても知られています。

2代目 CB12S型（1974年 - 1978年）

1974年に入ると、カペラは再び変化を遂げます。「ビッグチェンジ」として知られるフェイスリフトが行われ、基本的なボディデザインは保持しつつ、フロントマスクが刷新され、オーバーハングが延ばされました。このモデルでは、新たにレシプロエンジンの1,800ccや、1975年の排ガス規制に適応したロータリーエンジンが追加されました。

3代目 CB型（1978年 - 1985年）

1978年に3代目へとモデルチェンジを迎え、このモデルからはロータリーエンジンの設定が無くなりました。4ドアセダンや新たにハードトップスタイルの2ドアを追加し、居住空間の広さが強調されました。1980年にはマイナーチェンジが行われ、デザインも大幅に変更されました。このモデルのタクシー仕様は地方で人気を集め、1985年まで販売が続きました。

4代目 GC型（1982年 - 1987年）

1982年には4代目が登場。このモデルでは駆動方式がFFに変更され、エンジンも新しいラインナップが追加されました。2ドアモデルのクーペも復活し、こちらは1983年に日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど、その評価を得ました。

5代目 GD/GV型（1987年 - 1999年）

1987年には新たにデザインが一新され、スポーティーな5ドアハッチバックや、ブリスターフェンダーが特徴の2ドアクーペが展開されました。様々なモデルが存在し、同時にフルタイム4WDの設定も加わるなど、カペラシリーズは成長を続けました。このモデルでは世界初の電子制御4WSといった技術も導入されました。

6代目 CG型（1994年 - 1997年）

1994年には6代目が登場しますが、コスト削減や不要な機能の削減が進められ、質感が高められました。この時期にはクロノスと合わせて販売され、国内専用車として活躍することになりました。

7代目 GF/GW型（1997年 - 2002年）

1997年に7代目が発表され、ボディが新たに改良され、その後のワゴンやセダンにも多彩なシートアレンジが採用されましたが、最終的には2002年に製造が終了しました。カペラのネーミングはそれ以降消えてしまいましたが、マツダの自動車ブランドの歴史に大きな足跡を残したモデルです。

車名の由来

カペラという名称は、1970年代にスターになることを願ってぎょしゃ座の首星「カペラ」に由来しています。こうした背景もあって、カペラは長い歴史を通じて愛され続けました。

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