マツダ・BT-50

マツダ BT-50：小型〜中型ピックアップトラックの系譜

マツダBT-50は、小型〜中型クラスの1トン積載量を持つピックアップトラックです。日本や北米市場での販売実績はありませんが、オーストラリアや東南アジアなど世界各国で幅広く展開され、長年に渡り高い人気を誇っています。本記事では、BT-50の歴史、モデルチェンジ、特徴などを詳しく解説します。

初代BT-50 (2006年-2011年): フォードとの共同開発

初代BT-50は、マツダとフォードの共同開発によるモデルで、フォードレンジャーをベースに開発されました。2.5Lと3.0Lの直列4気筒デュラトルクディーゼルエンジンを搭載し、5速MTと5速ATが用意されました。オーストラリア仕様では、シングルキャブとダブルキャブがラインナップされ、グレードによって4x2と4x4が選択可能でした。生産はタイの合弁会社を中心に、世界各国へ輸出されました。

2代目BT-50 (2011年-2020年): 独立性を高めたデザイン

2代目は、フォードレンジャー(T6型)をベースとしながらも、マツダ独自のデザインを採用。フロントガラス、ルーフ、リアスクリーン以外は大きくデザインを変更し、マツダのアイデンティティを強く打ち出しました。エンジンは2.2Lと3.2Lのディーゼルエンジンを搭載。6速MTと6速ATの組み合わせで、シングルキャブ、フリースタイルキャブ、ダブルキャブの3つのボディタイプが用意されました。また、2015年と2018年にはマイナーチェンジを実施し、エクステリアやインフォテインメントシステムを改良しました。パンゴリンエディションと呼ばれる、絶滅危惧種のパンゴリン保護を目的とした特別仕様車も存在します。

3代目BT-50 (2020年-): いすゞD-MAXとのOEM供給

フォードとの提携解消後、マツダは新たなピックアップトラック開発にあたり、いすゞ自動車と提携。3代目BT-50は、いすゞD-MAXをベースとしたOEMモデルとなりました。マツダのデザインテーマである「魂動」を導入し、独自のフロントフェイスを採用。いすゞ製の3.0L直列4気筒ディーゼルエンジンを搭載し、高い信頼性と走行性能を実現しています。安全装備として、アダプティブクルーズコントロール、自動緊急ブレーキ、レーンキーピングアシストなどを採用。オーストラリア市場を皮切りに、タイ、フィリピン、マレーシアなどでも販売されています。2023年にはCarExpert Ute of the Year 2023において複数の部門で受賞を果たすなど、高い評価を得ています。2024年にはビッグマイナーチェンジが発表されています。

各世代のスペック比較

まとめ

BT-50は、フォードとの共同開発から始まり、いすゞとのOEM供給を経て、常に進化を続けるピックアップトラックです。各世代で異なる特徴を持ちながらも、高い信頼性と走行性能、そして多様なニーズに対応できるラインナップが魅力です。今後も世界各国で、その存在感を示し続けるでしょう。

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