マツダ・GJ

マツダ アテンザ／Mazda6 GJ系：マツダのフラッグシップセダン・ワゴン

マツダ・アテンザ（日本名）／Mazda6（海外名）GJ系は、2012年より製造・販売されているDセグメントセダンおよびステーションワゴンです。アテンザ／Mazda6シリーズの3代目モデルにあたり、マツダの新たな技術とデザインを結集したフラッグシップモデルとして開発されました。

グローバル展開とモデルバリエーション

GJ系は、日本国内では「アテンザ」、海外では「Mazda6」として販売されています。中国市場では「Mazda6 アテンザ」という車名も使用されました。先代モデルまで存在したハッチバックモデルは、市場調査の結果を受けて廃止され、セダンとステーションワゴンの2種類に絞り込まれました。セダンはGJ#FP型、ステーションワゴンはGJ#FW型という型式です。

生産拠点は、当初は山口県防府市のマツダ防府第二工場でしたが、その後ロシアや中国など各国での現地生産も開始されました。特に中国市場ではアテンザがマツダの販売台数の半分以上を占めており、重要な市場となっています。北米市場では、合弁会社の生産終了に伴い、日本から輸入されることになりました。

2014年には大幅な改良が行われ、エクステリアデザイン、インテリアデザイン、そして安全性能などが大きく向上しました。2019年には日本市場においても車名が「MAZDA6」に変更されるなど、継続的な改良が加えられています。

SKYACTIV TECHNOLOGYによる革新的なメカニズム

GJ系には、マツダの革新的技術であるSKYACTIV TECHNOLOGYが全面的に採用されています。

パワーユニットは、SKYACTIV-G 2.0L（PE-VPR型）、SKYACTIV-G 2.5L（PY-VPR型）のガソリンエンジンと、SKYACTIV-D 2.2L 直列4気筒ターボディーゼルエンジン（SH-VPTR型）が用意されました。トランスミッションは、SKYACTIV-DRIVE 6速ATとSKYACTIV-MT 6速MTが設定されています。

ボディは高剛性・軽量化されたSKYACTIV-BODYを採用。シャシーもSKYACTIV-CHASSISを採用することで軽量化と高剛性化を実現し、走行性能と燃費性能の向上に貢献しています。

燃費向上技術として、i-stop（アイドリングストップシステム）に加え、減速エネルギー回生システムであるi-ELOOPも採用されました。

ステーションワゴンモデルは、セダンモデルに比べてホイールベースと全長が短く設計されているため、リアオーバーハングが長くなっています。そのため、走行安定性を確保するために、後輪上部の構造を強化し、サスペンションセッティングも安定性重視となっています。

2015年1月の大幅改良では、ショックアブソーバーの構造を見直し、NVH性能を向上させました。また、2.2Lディーゼルエンジン搭載車には4WDモデルが追加されました。

魂動デザインによる美しいフォルム

マツダのデザインテーマ「魂動（こどう）―Soul of Motion」に基づき、コンセプトカー「雄（TAKERI）」をベースにデザインされました。このデザインは高く評価され、2013ワールドカーデザインオブザイヤーのベスト3入りを果たした他、数々のデザイン賞を受賞しています。

特徴的なデザインとして、Aピラーを先代モデルより後退させることで、ロングノーズ・ショートデッキのスタイルを実現しています。17インチと19インチのホイールが用意され、19インチホイールはデザイナーの強い要望によって設定されました。

セダンとステーションワゴンは、フロントドアの前までは共通のデザインですが、それ以降は異なるデザインとなっています。セダンは居住性、ステーションワゴンは荷室の広さを重視した設計です。

インテリアは、水平基調のインパネデザインを採用し、2015年1月の大幅改良では、Heads-Up Cockpitコンセプトを採用した新しいダッシュボードが導入されました。大幅改良ではエクステリアデザインも変更され、フロントフェイスやテールランプのデザインが変更されました。

各国の市場とグレード設定

GJ系アテンザ／Mazda6は、世界各国で販売されていますが、市場や地域によってグレード設定や仕様が異なります。

日本仕様車: セダンとステーションワゴンが設定され、ガソリン車とディーゼル車が用意されています。グレードは、「XD」「XD L Package」「20S」「25S L Package」などがあります。
北米仕様車: セダンモデルのみで、「スポーツ」、「ツーリング」、「グランドツーリング」の3グレードが用意されています。
欧州仕様車: セダンとステーションワゴンが設定されていますが、日本や北米仕様とは異なるグレード構成となっています。
その他: 豪州、ロシア、中国など、各国で独自のグレード設定がされています。

年表

2011年10月：コンセプトカー「雄（TAKERI）」発表
2012年8月：生産開始
2012年8月～9月：世界初公開
2012年11月：日本での販売開始
2013年11月：一部改良
2014年11月：大幅改良を発表（2015年1月発売）
2016年8月：商品改良
2017年8月：商品改良
2018年5月：大幅改良を発表（6月発売）
2019年7月：日本仕様車名を「MAZDA6」に変更、一部改良。

このように、マツダ・アテンザ／Mazda6 GJ系は、マツダの技術とデザインの粋を集めたモデルであり、グローバル市場で高い評価を得ているモデルです。 様々な改良を経て進化を続けており、今後の展開も注目されます。

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